子宮がん検診を受けましょう
女性につきものの月経(生理)。煩わしいものだけれど、普段より出血量が多かったり、月経痛が激しかったり、いつもと違った症状が現れると違和感があるもの。また、月経以外の不正出血やおりものの変化、下腹部に痛みがあった時などは、子宮の病気ではないかと心配になりますよね。
そこで重要なのが検診です。婦人科系の検診は面倒だから……と、先延ばしにする人が多いのですが、子宮がんは女性なら誰にでも起こりうる病気です。一刻も早く検診を受けて、安心した毎日を過ごしましょう。
こんな人はすぐ検診を!
子宮頸がん
子宮頸がんは初期段階ではほとんど自覚症状がありません。でも早期発見なら100%治癒するがんなので、おっくうがらないで検査を受けましょう!
・性経験が早かった人
・セックスの頻度が高い人
・パートナーが複数いる人
・パートナーが複数の異性とつきあっていた人
・早婚だった人
・妊娠・分娩回数が多い人
・中絶や流産の経験がある人
子宮体がん
子宮体がんも、気になる症状があれば子宮頸がんの検診時に申し出て、がん検診を受けられます。
・50歳以上の人
・閉経した人
・不正出血のある人
・妊娠の経験がなく、月経が不順な人
・未産の人
・肥満の人
まずはセルフチェック
住まいの自治体から集団検診のお知らせが来たらチャンス! その時には必ず問診がありますので、自分の子宮の状態を把握しておきましょう。
・月経でもないのに出血したことがないか?(少量でも注意)
・性行為の時に出血や性交痛はないか?
・普段と違ったおりものが増えていないか?
・月経がずるずると長引いたりしないか?
・排尿困難や排尿時の痛みはないか?
検査の前に知っておきたいこと
・検診へ行くのは、月経が終わってすぐがベスト。
・前日の入浴時には腟内は洗わないで、自然な状態で受診する。
・検診の前夜は性行為をしない。
・問診時には前回の月経の日にちと周期を必ず聞かれるので、メモをしていくとよい。
・検査当日はパンツスタイルより、フレアースカートのほうが何かと便利。
・検査のポイントは恥ずかしがらないこと!
せっかくなので、どんな些細なことでも相談し、安心を手に入れよう!
どんな診察や検査をするの?
子宮頸がんの検査
子宮頸がんは、子宮の入口になる部分の頸部に発生します。検査はこの付近を綿棒やヘラのような器具で細胞をこすり取って行います。1、2分で終了し、痛みはありません。
採取した細胞をスライドグラスに固定し、色素で染め、顕微鏡で観察(「細胞診」といいます)し、がん細胞の有無をみます。判定には1~2週間かかります。
再検査の場合
子宮頸がんが疑わしいと判断された場合には、「コルポスコープ」という拡大鏡のような器械で、子宮頸部の粘膜表面を拡大し、細かい部分を観察します。また、がん病変がありそうと思われる部分から組織を少量取り、標本をつくって顕微鏡で診断します。これを「組織診」といいます。多くは2つの方法を組み合わせて行いますが、組織診は必ず行います。どちらの方法も少量の出血はありますが、痛みはほとんど感じません。
子宮体がんの検査
子宮体がんは子宮の内部にできるので、少し湾曲した細い棒やチューブを子宮内部に挿入して、子宮の中の細胞を丁寧に採取して細胞診をします。多くは1~2分で終了しますが、少量の出血とともに少し痛みを伴います。
再検査の場合
経腟超音波で子宮内膜の厚さや状態をみます。ごく小さいおさじのような「キューレット」という器具を子宮内部に挿入して、子宮内膜組織を削り取り組織診を行います。多少の痛みを伴うので、通常鎮痛剤や軽い麻酔をして行います。
また「ヒステロスコープ」(子宮鏡)を使う「内視鏡検査」では、子宮内部の病変のありそうな細かい部分を直接観察する方法もあります。
子宮がんと診断されたら・・・
ここまでの検査を受け、「子宮がん」と診断されたら、「見つかってよかった」と前向きにとらえましょう。子宮頸がんがごく早期に発見されれば、手術後の妊娠も出産も可能です。また子宮体がんの場合も含めて早期である程、体に負担の少ない手術や治療法を選択できます。医師と診断や今後の治療方針などを相談し、冷静に対処することが病気を治す近道なのです。