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月経不順

 月経は、女性の体と心の健康バロメータとも言われています。月経は、だいたい30日前後の周期で繰り返されています。月経が起こるためには、女性ホルモン(卵胞ホルモンと黄体ホルモン)を分泌する卵巣やその分泌をコントロールするホルモンを分泌する脳の視床下部や脳下垂体など、さまざまなホルモンや臓器がバランスよく働く必要があります。多少の変動はあっても、月経がリズミカルに繰り返されるということは、こうした体のしくみがうまく働いていることを示しています。また、月経には環境やストレス、体調も大きく影響します。そういう意味で、月経は女性の体と心の状態を反映するバロメータと言われるのです。

正常な月経とは

 自分の月経が異常なのかどうかを知るために、まず正常な月経について知っておきましょう。(月経のしくみは「知っておきたい女性のからだ」参照)
 月経は周期的に繰り返されますが、この「周期」とは詳しく言うと月経が始まった日から次の月経が始まる前日までを指しています。人種によっても多少差がありますが、日本人の場合、月経周期は25日から38日の間が正常範囲とされています。月経による出血の持続期間は4日から7日間。これは、始まったかなと思った時から、月経血が茶色になる最後の時までを入れての日数です。
 月経期間中の月経血の総量は、50~150ccとも言われています。自分ではかるのはちょっと無理ですが、あとでお話するように月経期間中に使うナプキンの量が異常に多かったり、日常生活で不自由を感じるほどナプキンを交換しなければならない、といった場合には出血量が多すぎる過多月経の可能性 があります。
 そして、初経(初めて月経になること)は 平均12歳ぐらいで、閉経は50歳前後で迎えるのが平均的です。
 これが、月経のおおよその目安です。それに比べて自分の月経は正常なのかどうか、だいたいのところを把握しておきましょう。月経異常といっても、この全てに関わる異常があります。ここでは、

・初経がこない、月経が止まった(無月経)
・月経不順(月経周期の異常)
・月経血が多すぎる、少なすぎる
・月経痛など月経の前や最中に辛い症状がある

に分けてお話しします。

初経が来ない、月経が止まった

 女性に初めて月経が起こるのは、12歳前後が平均ですが、早い人では8~9歳、遅い人では16歳頃に初経を迎えることもあります。このように、極端に初経が早いものを早発月経、遅いものを遅発月経と呼んでいます。

初経が来ない一原発性無月経

 しかし、18歳を迎えてなお初経がない場合は、「原発性無月経」といいます。性染色体の異常や生まれつき膣や子宮、卵巣などの性器がない場合、女性ホルモンの分泌をコントロールする脳の視床下部や脳下垂体、卵巣の働きの異常などいろいろな理由が考えられます。時には、処女膜や膣が閉鎖していて月経血が外に排出されないために、一見無月経のようにみえることもあります。この場合は月経を起こす体の働きには問題がないので、処女膜を切開するなどの治療でよくなります。
 いずれにしても、早く原因を突き止めて適切な治療を開始する必要があります。16歳を過ぎて初経がなければ、婦人科や思春期外来などに受診するべきでしょう。

月経が止まった一続発性無月経

 これに対して、これまではきちんと月経があったのに、ある時から何かの原因で月経が来なくなってしまう場合を続発性無月経と言います。もちろん、初経が始まってから2~3年はまだ体は発育中。月経もそうそう毎月規則正しく来るとは限りません。閉経が近づいても、無月経になることはあります。こうした月経不順は生理的なもので心配のないものが多いものです。性行為をして月経が来なくなれば、まず考えられるのは妊娠です。
 しかし、こうした理由がなくて月経が止まり、無月経の状態が3カ月以上続くとなったら問題です。月経は、環境の変化やストレスなどに敏感に反応します。就職や引っ越し、親元からの独立など環境の変化や人間関係のストレス、激務のために月経が止まることがあります。月経には、卵巣から分泌される女性ホルモンだけではなく、脳の視床下部や脳下垂体から分泌されるホルモンも重要な働きをしています。精神的肉体的なストレスは、この視床下部の働きに影響し、無月経や月経不順を起こすことになるのです。
 また、激しすぎる運動やトレーニングも無月経の原因になります。学生や社会人でも運動部に属して、激しい運動をしている人はこの点にも注意が必要です。
 そしてとくに最近急増しているのは、無謀なダイエットによる無月経です。特定の食品しか食べない、一日一食だけなど、生きていくために必要な栄養量も考えずに、無茶なダイエットを行っていると、体は栄養不良に陥ります。その結果、生命を維持することが優先されて生殖機能にまで栄養が回らなくなり、無月経が起こるのです。今では、小学生でもダイエットを始める子供がいて、これが初経を遅らせていることもあるのです。さらに、最近は若い人から中年女性に至るまでダイエットをきっかけに、いわゆる拒食症に陥る人が増えています。この場合、悪化するとほとんどの人に無月経が起こります。
 こうした場合、いずれにしても原因を除去して早めに治療を開始することが大切です。ストレスやダイエットなどが原因であれば、まずその原因を取り除きます。それで月経が回復することも多いのですが、ひどくなると、ホルモン剤による治療が必要になります。そして、たかがダイエットと言っても無月経を長く放置すると、治療も難しくなります。とくに、思春期の女性の場合性機能そのものがまだ発達途中なので、早くきちんと治療をしておかないと、後に不妊症に悩むことも少なくはないのです。
 若い頃の無謀なダイエットが生涯にわたる後悔にならないようにしたいもの。月経が止まった状態が2~3カ月続いたら婦人科で診察を受けるようにしましょう。
 この他、脳下垂体や卵巣にできた腫瘍やお乳の分泌を促進するプロラクチンというホルモンの過剰が原因で無月経になることもあります。甲状腺の病気や糖尿病などの病気が原因になることもあります。

月経不順(月経周期の異常)

 ふつう月経は30日前後のサイクルで繰り返されています。とはいえ、今お話ししたように月経は環境やストレス、体調などの影響を受けやすいものです。周期が割合一定している人でも、その時の状態で早くなったり遅くなったりすることもあります。また、毎回ずれるという人もいます。
 したがって、多少のばらつきにはあまり神経質になる必要はありません。とくに閉経まじかになると月経の周期が乱れてきますし、思春期でも同様です。しかし、極端に周期が短かくてたびたび月経になる、逆に数か月に一度しか月経にならないとなると、不妊症の原因になることもあるので、きちんと調べてもらいましょう。

月経周期が短く、月経が頻繁に来る一頻月経

 月経周期が24日より短いために、月経が たびたび来るものを頻発月経と言います。月に2回も3回も月経になるとしたら、これは おかしいと考えなくてはなりません。
 この場合、無排卵性か排卵性かに分けられます。無排卵性というのは、文字どおり卵巣からの排卵がない場合です。思春期や閉経前にはよく起こります。月経血の量は少ないのに、10日も2週間もダラダラと月経が続くことが多いのが特徴です。この場合、排卵がないので当然妊娠できません。そのため、妊娠を希望する場合は排卵誘発剤を使います。また、月経が頻繁で貧血を起こしている場合は、その治療も必要になります。
 一方、排卵がある場合は、卵胞期(卵胞が成熟して子宮内膜が厚くなる時期・月経の開始から排卵までの時期)が短くなっている場合と黄体期(排卵から月経開始までの時期)が短くなっている場合があります。卵胞期が短くて排卵が早く起こり、頻発月経になるケースは、思春期や更年期に多く見られます。反対に黄体期が短くなって起こる頻発月経は、不妊症や流産の原因として重視されています。黄体ホルモンの分泌が不十分なので、受精卵が育つ子宮内膜の受入れ体制が十分にできないのです。そのため、卵子が受精しても子宮内膜に着床できず、不妊となることがあるのです。この場合も、必要に応じてホルモン剤などによる治療が行われます。

月経がたまにしか来ない一稀発原発

 月経の周期が39日より長い場合、つまり年に10回以下しか月経がない場合を、稀発月経と言います。
 更年期が近づけば、月経がたまにしか来ないようになるのはのは 生理的な現象ですし、成熟期の女性でも環境によっては月経が遅れることはあるものです。問題は、月経がたまにしか来ないといってもいつ来るか
 わからないほど不定期だったり、排卵がない場合です。この場合は、卵巣や脳下垂体の働きが低下している可能性があり,不妊症になったり、無月経にすすむこともあるからです。この段階で治療をすれば、無月経になってから治療をするより排卵が起こりやすいのです。
 同じ稀発月経でも、周期が長いだけで1カ月半に1回とか、2 カ月に一回は定期的に月経があり、排卵もあるという場合にはあまり心配はありません。たまにしか月経のない人でも、妊娠して出産している方は珍しくないからです。それは、そういう形の月経なのだと理解してください。
 いずれにしても、無月経も含めて排卵の有 無やどのタイプの頻発月経なのかといったことは、基礎体温をはかればわかります。

月経血が多すぎる、少なすぎる

 月経血の量が多すぎる場合を過多月経、少なすぎるものを過少月経といいます。

月経血が多すぎる一過多月経

 月経血の量が人に比べて多いのか、少ないのか、これはなかなかわかりにくいものです。結婚してから月経血の量が増えたということもよくあることです。定期的な性生活を持つようになったり、妊娠出産を経験すると女性の体は成熟を増し、月経血が増えるようになるのです。また、月経が始まって1~3日目ぐらいは、出血量が多いのがふつうです。今は生理用品も良くなっていますが、この間は2時間置きにナプキンを交換する、夜中にも交換が必要という人もいるでしょう。
 とくに、こうなったら過多月経という定義はありません。しかし、月経が8日以上も続いたり、2日以上血の固まりがゴボッと出る、出血量 が多いために貧血になる、あるいは月経の間中2時間おきにナプキンを取り替えなければならないなどの場合は、過多月経の疑いがあります。過多月経は、卵巣ホルモンの働きが異常になって起こる場合もありますが、子宮筋腫の重要なサインでもあります。この他、子宮腺筋症や子宮体がん、子宮内膜ポリープでも過多月経になることがあります。
  とくに子宮筋腫の場合、筋腫が大きく育つ ために子宮に循環する血液が多くなり、出血量が増えることが多いのです。こんな兆候があったら、ぜひ専門医を受診しましょう。

月経血が少ない一過少月経

 出血量が異常に少ない場合です。月経期間が極端に短くて、2~3日で月経が終わってしまう場合も当然出血量は少なくなります。原因としては、ホルモン分泌の異常や排卵がない場合などがあります。また、子宮の発育が十分でない場合もあります。人工妊娠中絶手術による掻爬によって子宮内膜が萎縮して出血量が減少することもあります。
 この他、ピルの服用によって出血量が減少したり、更年期が近づくと出血量が減少してきますが、これは生理的なもので心配ありません。
 過少月経の場合、とくに治療の必要のないものも多いのですが、ホルモン異常や無排卵などがあればその治療を行うことになります。

月経前や月経中のつらい症状、月経前緊張症・月経困難症

 月経が始まる1週間ほど前から、さまざまな不快症状が現れ、月経が始まると同時に良くなってくるのが、月経前緊張症です。症状は、非常に多彩です。
 乳房の腫れや痛み、おなかが張った感じ、手足や顔のむくみ、腰痛、頭痛、めまい、動悸、眠くてたまらない、食欲が妙に旺盛になるなど、いろいろな訴えがあります。精神的にもイライラしたり、集中力に欠ける、憂鬱になる、不安感や焦燥感が強くなるなどさまざまな症状が現れます。それが、仕事に影響したり、ちょっとした人間関係のトラブルを招くこともありえます。
 これは、黄体ホルモンの影響と言われています。排卵を終えた卵胞には黄体が作られ、ここから黄体ホルモンが分泌されます。この黄体ホルモンが働く時期と月経前緊張症が現れる時期がちょうど一致しているのです。黄体ホルモンは、妊娠の維持に働くホルモンなので、妊娠初期のような症状が起こるとも言われています。


 ですから、とくに病気というわけではないので、入浴したり、散歩をする、スポーツで適度に体を動かすなどリラックスして過ごすことがいいと言われています。ストレスもこうした症状をひどくすると見られています。むくみが出る人は、水分や塩分を取りすぎないようにしましょう。あまり症状が辛い場合は婦人科で相談してください。自律神経の安定剤や漢方薬、ビタミン剤、時にはホルモン剤などの治療で楽になることがあります。
 一方、月経の最中は程度の差はあっても、多くの人が何らかの不快感を感じているのではないでしょうか。
 こうした下腹部の痛みや腰痛、頭痛など月経に伴う症状が日常生活の障害になるほどひどい場合を、月経困難症と言います。これにも、原因になる病気がある場合とそうした病気はなくても機能の異常から月経困難症が起こる場合があります。
 月経困難症を起こす病気には、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮や卵巣の炎症、子宮の位置の異常(子宮前屈や子宮後屈)などがあります。とくに痛みが激しいのは子宮内膜症で、痛みのために吐き気を伴ったり、脳貧血を起こすこともあります。だんだん痛みがひどくなる場合は、とくに要注意です。
 こうした病気がないにも関わらず、月経時の症状が激しいことがあります。月経時の子宮の収縮が強くて月経痛が起こることもありますが、自律神経失調症や心理的な影響も大きいと言われています。どちらかといえば、若い女性にこのタイプの月経困難症が多く、月経に対する嫌悪感や面倒くさい、活動の邪魔になるといった心理が影響していると言われています。
 しかし、こうしたタイプの月経困難症は、出産を契機に軽くなることも多いものです。出産によって月経血の通り道(子宮頸管)が 広がって、月経血の流れが良くなることもその原因と言われています。
 病気がとくになければ、月経の期間はできるだけ無理な運動をしないで、体育の授業は見学する、お勤めならば生理休暇をとるなどしてゆったりと過ごすことが大切です。ヨガや骨盤内の血液の流れをよくするような体操がいい影響を与えることもあります。病院では、鎮痛剤やホルモン剤、漢方薬などを使って治療が行われます。


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