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卵巣のトラブル

 卵巣は、子宮の両側にあるそらまめのような形の器官で、月経のリズムを作る大切な器官です。卵巣から女性ホルモンが分泌され、排卵が起こります。
卵巣は排卵のたびに傷つき、修復を繰り返しているので、女性の体の中でいちばん腫瘍ができやすい部分の一つです。しかし、卵巣の病気は自覚症状がないことが多いことから病気になっても気がつきにくく、他の検診をきっかけに発見されるケースが目立ちます。それは片方の卵巣に異常があっても、もう片方の卵巣が働きを補うので発見しにくいからです。
主な卵巣の病気には、卵巣機能不全(卵巣機能低下症)、卵巣のう腫、卵巣炎があります。

ストレスからくる

卵巣機能不全(卵巣機能低下症)

卵巣は脳の視床下部と下垂体による指令で動いています。そのため、ストレスで自律神経が乱れると、影響を受けやすい器官の一つとなっています。卵巣へホルモンを分泌する指令がとどこおると「卵巣機能低下症」となり、若い人でも熱感など更年期のような症状が出ることもあります。
もし、ストレスが原因で月経が不順になってきた……という症状がある場合、不妊を引き起こす可能性があります。そのときは、月経がきちんと来るよう、薬などでホルモンの分泌量の調整をします。無月経の状態をつづけると、治療しても正常な状態に回復しないことが多いので、早めに治療することが肝心です。


良性の腫瘍だが、大きくなる可能性のある

卵巣のう腫

卵巣にできる腫瘍の9割以上は良性の腫瘍です。そして、良性腫瘍のなかでいちばん多いのは、卵巣がコブのように腫れる卵巣のう腫です。卵巣のう腫の原因ははっきりとはわかっていませんが、何らかのきっかけで、卵子が異常に増殖してしまうと考えられています。
もし、下記のようないつもと違う症状が続いたら、婦人科を訪れてみましょう。

・トイレが近くなる。
・重い腰痛がある。
・いつも膨満感がある。
・おなかの中が引きつるような痛みがある。
・おなかが急にポコッと出てきた。
 
 卵巣のう腫は水や脂肪などの分泌物がたまる腫瘍で、小さいものから子供の頭くらいの大きさになることもあります。卵巣にたまった内容物によって分類されます。

漿液性のう腫

さらさらの水がたまるのう腫です。直径5cm位までの小さなものでは経過観察をするだけでも構いません。大きくなると茎捻転や卵巣破裂がおきやすくなります。10代から30代の女性に多く見られます。

粘性のう腫

ねばねばした液体がたまるのう腫。良性と悪性があります。更年期以降の女性に比較的多く見られます。

皮様のう腫

卵巣の内部に脂肪がたまり、中には歯や髪の毛が含まれることがあります。これは卵子が勝手に卵巣内で分裂を始めてしまうことで起きるといわれています。大きくなると茎捻転や卵巣破裂がおきやすくなります。

チョコレートのう腫

子宮内膜症の一種です。卵巣内で子宮内膜の機能がおきてしまうことから、血液がたまってしまいチョコレートのようにみえるのう腫です。不正出血などがあり、月経時には激しい痛みがあります。
卵巣のう腫の治療法
卵巣のう腫が発見されたら数ヶ月に一回程度検診を行い、経過を見ます。小さな腫瘍なら特に治療は行いません。にぎりこぶし大に以上になった場合、摘出手術をするかどうかを判断しますが、不妊を避けたり、ホルモンのバランスを保つために、できるだけ卵巣を残す手術方法がとられます。
現在は開腹手術ではなく、腹部に2~3カ所小さな切開を入れ内視鏡で卵巣を摘出したり、周囲の臓器との癒着をはがしたり、卵巣ののう腫部分だけをくり抜くといった手術を行います。
卵巣を摘出するとなると、女性の一生にかかわる問題です。ここは、パートナーや家族・医師と一度じっくりと相談をして、後悔しない生活を送るための治療方法を選択しましょう。

突然の激しい痛みがくる

卵巣破裂・茎捻転

卵巣のう腫がある程度大きくなると突然下腹部の激しい痛みが起こり、嘔吐したり、ショック状態に陥ったりすることがあります。これは、腫瘍が破裂、または根本からねじれて「茎捻転」などを起こした時に起こる症状です。この場合は緊急手術となります。

卵巣が炎症を起こす

卵巣炎

子宮内膜炎・卵管炎と併発しておきやすいのが、卵巣炎です。総称して「子宮付属器炎」といいます。
原因は、淋菌や大腸菌などの細菌やクラミジア感染症があります。性交渉や、出産・妊娠中絶をきっかけにして炎症が起こるケースが多く、痛みや発熱があります。炎症が進むと、卵管内に水が溜まったり、臓器どうしが癒着してしまうことがあります。原因菌がわかったら、抗生物質を使った治療を行います。