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マタニティブルー

マタニティブルーは一過性のもの、ほとんどの人は10日~2週間で治ります

待望の赤ちゃんが産まれてとても嬉しいはずなのに、突然、悲しい気持ちになったり、訳もなく涙が出たり、不安で眠れなくなったり、やる気が起こらなかったり……。産後間もなくして情緒不安定になることを「マタニティブルー」と呼んでいます。程度の差はあるものの、日本人は2人に1人の確率でマタニティブルーになるというデータもあり、こうした状態は病気ではなく、ほとんどの方は10日~2週間もすれば自然に治るものです。必要以上に心配することはありません。

どうしてマタニティブルーになるの?

  出産の疲れや、慣れない育児による疲れや睡眠不足、育児に対するプレッシャーや孤独感などがマタニティブルーとなる要因です。でも、それだけではありません。お産後に急激にホルモンが低下することが、マタニティブルーの原因として大きく関わっています。
妊娠中は、女性ホルモンをはじめとするたくさんの種類のホルモンが胎盤でつくられています。しかし、出産時に胎盤が体外に排出されると、ホルモンは急激に減少します。こうした急激なホルモンの変化に体がついていけず、多くの女性が一時的に情緒不安定となって、マタニティブルーになると考えられています。

マタニティブルーになったらどうすればいいの?

 マタニティブルーは、産後の多くの女性に見られる症状です。焦らずに、ゆっくりと体調を整えていきましょう。10日~2週間もすれば、赤ちゃんを育てる前向きな気持ちになってきます。

不安な気持ちを誰かと共有し、無理をしないで助けてもらうようにする

出産後のお母さんにとって辛く感じるのは、赤ちゃんに対して「やって当たり前、できて当然」という周囲の雰囲気です。でも何の不安や迷いもなく、最初から上手にできる人はいません。初産の人はもちろんのこと、2人目、3人目のお母さんも、経産婦だからこその不安があります。
こうした不安な気持ちや、簡単には気持ちの切り替えができないことを周囲の人たちに理解してもらうことが大切です。

1人で完璧にやろうとせず、周囲の人に手伝ってもらう

お母さんになったからと言って、なんでも完璧にやろうとしないでください。慣れるまではおっぱいをあげる、オムツを替えるなどの行為もなかなか大変です。自分でできる範囲だけでOK。無理をせずに、周囲の人に手伝ってもらいましょう。
例えば、夜中おむつをかえるのに夫に手伝ってもらう。時には、誰かに赤ちゃんの世話をまかせてゆっくり昼寝するだけでも、心身の疲れがとれます。そんな時間があればこそ、赤ちゃんとふたりきりの時間も充実してくるというものです。
もちろん、こうした時間をうまく作るためには、周囲の理解と協力、自分自身のキャパシティの見極めなどが重要です。

マタニティブルーって防げるの?

 マタニティブルーを予防するために、妊娠中からできることもあります。
自治体や病院などで行っている母親学級やマタニティビクス、マタニティスイミングなどで、同じ不安や悩みを持つママ友を作っておく。もちろん、既に出産・育児を経験している先輩ママ友達と連絡を取れることも忘れずに。いざという時に心強い見方です。
最も身近な夫や母親に、悩みや出産後の不安、心の動揺を打ち明けておくことも大切です。そうすれば出産後の協力も得やすくなりますから。
出産後は、家族の絆が試される時期ともいえます。引っ込み思案にならないで、どんどん周囲を育児に巻き込み、友達をたくさん作って、上手にストレスをコントロールしながら、明るい子育てをしましょう。

産後うつ病は2~3週間以降に発症し、2週間以上治らない

 ほうっておくと危険なのが「産後うつ病」です。産後うつ病は、出産後2~3週間から3カ月くらいの間に発症し、治療が必要な心の病気のひとつです。また、マタニティブルーは病気ではないので、しばらくすれば自然に治りますが、稀に産後うつ病に移行することもあります。
うつ病の治療には、充分な休養、専門家によるカウンセリング、薬物投与などがあります。軽いものであれば、赤ちゃんにおっぱいをあげる行為をしているうちに、カウンセリングを受けながら自然と治る場合もあります。母乳を作るホルモンには、母体をリラックスさせ、熟睡させる作用があるからです。しかし中等度から重症の産後うつ病で、投薬も必要です。
産後うつ病は早めに治療を開始し、きちんと治さないと、慢性化したり、重症化する可能性があり、幼児虐待などの悲劇を招く危険性をはらんでいます。幼児虐待と聞くと、「最低な母親だ。」と思われがちです。しかし、一概に、母親が残虐であるとは言えません。産後うつ病は、自分自身をコントロールできない精神状態になってしまっているケースも多いのです。
軽い産後うつ病では虐待にまでは至らなくても、赤ちゃんは母親の異変を敏感に察知し、少なからず悪影響を受けます。母親がストレスを溜め込んで、憂鬱そうにしていると、赤ちゃんもストレスを感じ、不安定な気持ちになるのです。大切な赤ちゃんに悲しい思いをさせないためにも、「うつかな?」と感じたら、病院で検査し、発症していた場合には、適切な治療を開始しましょう。

決して忘れないで欲しいのは、産後うつ病は、お母さんの責任ではない、ということです。

産後うつ病の原因は?どんな人がなりやすいの?

 最近の研究で、ホルモンバランスが乱れている産後はうつ病を発症しやすいことが判明しています。また、出産後の女性の体は、生涯の中で最も劇的な変化が生じています。たとえば…

・乳を作り出します。
・赤ちゃんを守っていた子宮が、1カ月ほどで元の大きさまで収縮します。
・大きさにして、1kg位から60g位まで縮みます。
・女性ホルモンが再び産生されるまで、しばらく時間がかかります。

生活面でも、それまでとは大きく変化します

・最初の1~2カ月は、2~3時間おきに授乳しなくてはならないため、充分な睡眠時間が得られません。
・馴れない授乳と、オムツ替えの繰り返し。
・外出もままならず、飲んで泣くばかりの赤ちゃんと向き合った毎日。

新しい生活を自然に受け入れらるよう、周囲の人間の協力が一番重要となります。

産後うつ病になりやすい人は?

もし、ひとつでも思い当たる項目がある人は、産後うつ病にご注意。

・切迫流産になりかかった、難産だったなど、出産が順調ではなかった人。
・完璧主義な人、スーパーウーマンシンドロームの人。
・妊娠期間中や出産直後に結婚や引っ越し、人事異動、産休、職場復帰、退職など、人生の大きな転機を経験した人。
・里帰り出産をした人。
・妊娠中、仕事のストレスが増した人。
・望まなかった、想定外の妊娠だった人。
・過去にうつ病を発症したことがある人、1人目の出産後、産後うつ病になった人。
・旦那さんやおばあちゃんなど、身内が育児に協力してくれない人。

産後うつ病になるとどんな症状があらわれるの?

 産後うつ病かどうかの判断は、一般的な症状として気分の落ち込みや不安感、イライラ、不眠・あるいは過眠、食欲不振・過食などです。その他に、下記のようなことがないかチェックしてみましょう。

・母親としての役割が果たせていないと思う。
・オムツ替えひとつにも自信が持てない。
・赤ちゃんの発育が異常なまでに心配でならない。
・育児書通りにいかないと感じ、自分か赤ちゃんがおかしいのではないかと感じる。
・将来に希望や夢を感じなくなった。
・赤ちゃんに愛情を感じない。
・旦那さんに愛情を感じない。
・赤ちゃんが泣いていても、長時間ほうっておくことがある。
・頭痛や体がだるくて、ヤル気がでない。

 産後うつ病は、長引く傾向があり、赤ちゃんにストレスを感じさせたり、子供の発育に悪影響を与えます。また、最悪の場合、幼児虐待という悲しい事態を招く可能性も秘めています。
しかし、早めに治療すれば、回復の早い病気です。少しでも疑わしいと思ったら、まずは婦人科やレディースクリニック、各自治体の保健師に相談してみてください。