
女性の内性器
子宮は、女性が妊娠したとき胎児を約10カ月間(排卵後約38週)にわたって育てる重要な器官です。ところが最近の若い女性のなかには、子宮の位置や役割を知らない人たちが驚くほど増えています。
子宮は、腟の奥に位置しています。子宮頸部という狭い入り口部分があり、その奥に子宮腔という広がり(空間)があります。この広がりが、胎児を育てる場所となります。子宮そのものは通常はニワトリの卵くらいの大きさですが、妊娠すると胎児の成長につれて子宮腔がどんどん広がっていきます。
子宮腔の内側は、子宮内膜という薄い膜におおわれています。子宮内膜は、排卵があるたびに受精卵が着床しやすいように厚くやわらかくなり、妊娠できる環境を整えます。妊娠が成立しないと、増殖した子宮内膜は不要となってはがれ落ち、血液などと一緒にからだの外へ排出されます。これが月経です。
妊娠が成立した場合には、受精卵は子宮内膜に接着してもぐりこみ(着床)、子宮腔のなかで成長します。そしておよそ10カ月後に大きくなった胎児は、子宮頸部から腟(産道)を通って外に出てきます(出産)。