
女性の内性器
女性は、胎児の時からすでに将来の妊娠にそなえて、200万~300万個もの卵胞(原始卵胞)をもっています。卵胞は、女性が思春期になると成熟し、周期的に1個ずつの卵子を出すようになります(排卵)。その卵胞のある場所が、卵巣です。
卵巣は、子宮の両側に左右ひとつずつあります。大きさは親指の先ほどの小さな器官ですが、女性の一生をコントロールする重要な役割をになっています。なぜなら卵巣は、エストロゲン(卵胞ホルモン)、プロゲステロン(黄体ホルモン)という2つの女性ホルモンを分泌する場所でもあるからです(女性ホルモンについては、『女性ホルモン』の項を参照してください)。
子宮には、左右に卵管という長さ10~12cmほどの細い管があって、卵巣に向かって延びています。卵巣でつくられた卵子は、排卵すると卵管に入り、そこを通って子宮へと向かいます。卵管のなかで男性の精子と出会うと、受精が行われます。精子は腟から子宮を通り、卵管までやってきて、ようやく卵子と出会うことができるのです。
受精卵はそのまま子宮へと向かい、子宮内膜に着床すると妊娠が成立します。ただ、卵管は細いため、まれに受精卵が子宮まで行かず、卵管内に着床してしまうことがあります。
これが子宮外妊娠(卵管妊娠)です。
卵巣から卵子が排出された日(排卵日)をきっかけに、体温が少し上昇します。これは卵巣から分泌されるプロゲステロンの影響です。自分の基礎体温を記録していると、体温の上昇から自分の排卵日を推測することができます。排卵日の前後はもっとも妊娠しやすいときなので、妊娠を望む人にも望まない人にも大切な時期だといえます。