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腰痛~あなたの知らない原因がこんなに~

 あなたの腰痛の原因はダイエットだった……そんなことを考えてみたことはありますか。原因不明の腰痛の多くは「腰痛症」とされていますが、じつは身近なことがきっかけで腰痛が起こっていることがあります。ふだんの姿勢、ハイヒール、ショルダーバッグ、パソコン、ベッド、冷房、便秘、子育て、介護など、そのきっかけはさまざま。女性の腰痛の背後には、月経異常などの婦人科の病気がひそんでいることも少なくありません。自分の日常生活や体の変調を見直すことで、腰痛の原因をつきとめ、悪化させないための二次予防に務めましょう。

あなたの腰痛はどのタイプ

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 女性の腰痛には大別すると、<筋肉の衰えや背骨・椎間板の変形>によるものと、<婦人科系の病気>などによるものとがあります。ただの腰痛と考えず、原因を知ったうえで適切な治療や予防をしましょう。

筋肉・背骨・椎間板に関係するもの

 筋肉の衰えや背骨のゆがみ、椎間板の変形などによって起こる腰痛。腰だけでなく、お尻や太ももに痛みがでることもあります。


ダイエット腰痛
 間違ったダイエットによって筋肉が落ち、腰への負担が大きくなると腰痛を起こしやすくなります。ダイエットをよくする若い女性はもちろんですが、筋肉が弱っている30代以降の女性はとくに注意が必要。腹筋運動やダンベル体操、水泳などで、腹筋や背筋をつけることで予防できます。

スウェイバック腰痛
 運動不足などで筋肉が衰えると、腰を支える力が弱まって姿勢が悪くなり、それが原因で腰痛を起こすことがあります。鏡の前に自然体で横向きに立ち、自分の姿を見たとき、猫背になっていたり、お腹が前に突き出て背中がそるような姿勢(スウェイバック)になっていたら要注意。あごを引き、お腹を引き締めた姿勢を心掛けましょう。

ハイヒール腰痛
 かかとの高い靴を履くと前のめりの猫背になりやすく、またバランスをとろうと腰を突き出すような姿勢にもなりやすいため、負担が大きくなります。腰がだるいなと思ったら、早めにローヒールの靴に替えてみましょう。

ショルダーバック腰痛
 ショルダーバッグをいつも同じ側の肩にかけていると、肩こりだけでなく、腰痛の原因ともなります。バッグをかける肩を意識的に変えるようにするか、手持ちのバッグやリュックサックにすることで予防できます。

パソコン腰痛
 デスクワークの女性には、以前から座業腰痛が多くみられました。同じ姿勢を長時間続けると、腰には大きな負担となります。とくにパソコンに向かうと、つい時間を忘れて同じ姿勢を続け、画面 をのぞくため猫背にもなります。デスクワークでは1時間に一度は席を立ち、少し歩きまわったり、軽い屈伸運動をして腰の血行をよくしてください。

ベッド腰痛
 ベッドや敷き布団が柔らかすぎると、腰が落ちる形になって腰痛が生じやすくなります。少し硬めに感じるくらいのものを選びましょう。

便秘腰痛
 腰痛の原因が、がんこな便秘だったということも少なくありません。便秘がちの人は、繊維質の豊富な生野菜をとり、便秘薬を使うなどして積極的に解消に努めてみてください。

冷房腰痛
 冷房のききすぎによる冷えが原因の腰痛です。オフィスでひざ掛けを使うときは、腰にも巻くようにします。冷房温度を下げられない場合は、夏でも腰に携帯コンロ(使い捨てコンロ)を当てて血行をよくしましょう。

子育て腰痛
 子どもを抱いたりオモチャの片付けなどで頻繁に腰を使う、子育て期の女性に多い腰痛です。片付けは立ったまませず、腰をおとしてすることでかなり予防できます。保母さんにも、同様の腰痛が多くみられます。

介護腰痛
 親の介護をする中高年の女性にみられるもので、お年寄りのからだを支える動作などから生じます。正しい介護の技術を身に付け、腰への負担を少しでも軽減しましょう。

骨粗しょう症腰痛
 閉経後、骨のカルシウムが減少して背骨がもろくなると、腰痛を起こしやすくなります。更年期近くになったら、積極的にカルシウムの多い食品をとり、適度の運動によって骨量 を増やすように心掛けましょう。
腹筋テストに挑戦!
 一般的な腰痛(婦人科系の病気以外)は、腹筋をきたえることで予防や軽減ができます。まず、あなたの腹筋が弱っているかどうかテストしてみましょう(50歳以上の方や、いま腰に強い痛みがある方は無理をしないでください)。
●あお向けに寝て、頭のうしろで両手を組みます。
● 両足を伸ばしたまま床から20cmほど上げた状態でキープします。
● キープ時間が10秒以下なら即不合格。20秒以上キープできれば一応合格ですが、途中で腹筋がブルブルふるえるようなら要注意。
  腹筋運動は自宅でできる、もっとも簡単かつ効果的な腰痛予防法です。足先を上げた状態のキープ時間を少しずつ伸ばしながら、毎日5分から10分程度続けてみましょう。ただし、強い痛みがあるときは、痛みが治まってから始めてください。

腹筋を鍛えて腰痛の予防を!

1.両足を伸ばしてそろえる。
 そのまま床から20cmほど上げる。

2.頭の後ろで両手をくむ。膝を曲げて上半身を起こす。

婦人科系の病気などによる腰痛

 婦人科系の病気による腰痛が増えています。腰痛だけでなく、下腹部痛や月経時の不正出血などをともなう場合は、早めに婦人科の受診を考えてみましょう。

月経困難症
 月経にともなう腰痛で、下腹部痛をともないます。神経質な女性に多くみられることから、ストレス性の自律神経失調が原因ともいわれます。痛みが強い場合は鎮痛薬で対処しましょう。

子宮筋腫・卵巣のう腫
 子宮筋腫の腰痛は、月経量の増加や不正出血がともなうことが少なくありません。月経が終われば腰痛も治まりますが、筋腫が大きくなると月経とは関係なく、下腹部痛や下肢の痛みなどが起こります。卵巣のう腫は自覚症状が少ないのですが、大きくなると腰を少し動かしただけで痛むこともあります。

子宮内膜症
 ふつうは月経時に月経困難症と同様の症状を起こしますが、悪化して癒着を起こすとふだんでも腰痛や下腹部痛が生じるようになります。内膜症による卵巣チョコレートのう胞などの場合にも、同様の腰痛がみられることがあります。

その他
 子宮がん、卵巣がんの場合にも、ある程度進行すると強い腰痛をともなうことがあります。
どっきりデータ
 女性の一生は腰痛との闘い、といわれるほど。その理由の第一は、まず女性であること。腰を支える腹筋や背筋などの筋肉は、男性ホルモンによってつくられるので、女性はそもそもリスクをおっています。さらに月経、妊娠、子育てなどがいずれも腰痛の原因となり、中年になると脊椎すべり症という脊椎のずれによる腰痛が男性の4倍も。また、月経異常などにともなう女性ホルモンの変調、更年期障害、そして骨粗しょう症と、晩年にいたるまで腰痛との付き合いは切れません。それだけに原因を確認して、悪化させない心掛けが大切です。