あなたの腰痛の原因はダイエットだった……そんなことを考えてみたことはありますか。原因不明の腰痛の多くは「腰痛症」とされていますが、じつは身近なことがきっかけで腰痛が起こっていることがあります。ふだんの姿勢、ハイヒール、ショルダーバッグ、パソコン、ベッド、冷房、便秘、子育て、介護など、そのきっかけはさまざま。女性の腰痛の背後には、月経異常などの婦人科の病気がひそんでいることも少なくありません。自分の日常生活や体の変調を見直すことで、腰痛の原因をつきとめ、悪化させないための二次予防に務めましょう。

女性の腰痛には大別すると、<筋肉の衰えや背骨・椎間板の変形>によるものと、<婦人科系の病気>などによるものとがあります。ただの腰痛と考えず、原因を知ったうえで適切な治療や予防をしましょう。
一般的な腰痛(婦人科系の病気以外)は、腹筋をきたえることで予防や軽減ができます。まず、あなたの腹筋が弱っているかどうかテストしてみましょう(50歳以上の方や、いま腰に強い痛みがある方は無理をしないでください)。
●あお向けに寝て、頭のうしろで両手を組みます。
● 両足を伸ばしたまま床から20cmほど上げた状態でキープします。
● キープ時間が10秒以下なら即不合格。20秒以上キープできれば一応合格ですが、途中で腹筋がブルブルふるえるようなら要注意。
腹筋運動は自宅でできる、もっとも簡単かつ効果的な腰痛予防法です。足先を上げた状態のキープ時間を少しずつ伸ばしながら、毎日5分から10分程度続けてみましょう。ただし、強い痛みがあるときは、痛みが治まってから始めてください。
腹筋を鍛えて腰痛の予防を!
1.両足を伸ばしてそろえる。
そのまま床から20cmほど上げる。
2.頭の後ろで両手をくむ。膝を曲げて上半身を起こす。
女性の一生は腰痛との闘い、といわれるほど。その理由の第一は、まず女性であること。腰を支える腹筋や背筋などの筋肉は、男性ホルモンによってつくられるので、女性はそもそもリスクをおっています。さらに月経、妊娠、子育てなどがいずれも腰痛の原因となり、中年になると脊椎すべり症という脊椎のずれによる腰痛が男性の4倍も。また、月経異常などにともなう女性ホルモンの変調、更年期障害、そして骨粗しょう症と、晩年にいたるまで腰痛との付き合いは切れません。それだけに原因を確認して、悪化させない心掛けが大切です。