からだのなかで、どこがいちばん疲れますか? こんな質問をすると、圧倒的に多くの人が「目」と答えます。じつは目の疲れの6割以上は、「ドライアイ(乾き目)」が原因。現代女性に急増している目の疲れと、ドライアイとのあいだには密接な関係があります。目が疲れたなと思ったら、まずドライアイを疑ってみましょう。

ドライアイとは、簡単にいえば涙の量が減って目の表面 が乾いてしまった状態のこと。それだけのことなのに、目の疲れや炎症、肩や首のこり、頭痛、全身疲労、消化不良といった、さまざまな症状を引き起こします。ところで涙とは、いったい何だと思いますか。しょっぱい水分……たしかにそうなのですが、じつは成分をよく観察すると、驚くほどよくできています。
【涙を構成する3要素】
●涙腺からの水分
●上まぶたのマイボーム腺からの油分
●結膜のゴブレット細胞からのムチン(粘液)この3つが、まばたきによって目の表面をうるおし、保護しています。ストレスなどの影響を受けると、これらのバランスがくずれ、その結果 ドライアイになってしまうのです

現代女性がもっとも疲れを感じている場所、それは目です。
ドライアイは典型的な現代病。なぜなら、パソコン、エアコン、コンタクトレンズという、現代社会ならではの3つの「コン」に主な原因があるからです。ドライアイが女性に多いのも、同じ理由からです。
1.パソコン……パソコン(オフコン)の画面 を見ているとき、私たちはあまりまばたきをしません。通常1分間に15~20回はしているまばたきが、半分から3分の1に減り、涙の補給が不足してドライアイ状態を起こしやすくなります。パソコン作業中は意識的にまばたきを多くし、1時間に1回は休みをとりましょう。
2.エアコン……エアコンは暖房・冷房をとわず室内を乾燥させ、目も乾きやすくします。とくにエアコンの風が顔に当たる位 置で仕事をしている人は、ドライアイになりがち。エアコンの風向きを変える、仕事の場所や向きを変える、加湿器を置くといった方法で予防しましょう。
3.コンタクトレンズ……コンタクトレンズを装用中に、目に違和感をおぼえた人の90%以上はドライアイ状態。コンタクトレンズを使うと目が酸欠になりやすく、涙のバランスがくるって量 が減るため、ゴロゴロ感などを感じるのです。コンタクトレンズを使う人は、とくに1と2の状態に気を付け、コンタクト用の目薬などでドライアイ状態にならないようにしましょう。

涙の量は、1日平均すると0.5~0.75cc。たったこれだけで目をうるおしているのですから、ちょっとしたことでドライアイ状態になりやすいわけです。目が疲れると涙も出にくくなることがあるので、そういうときは目薬で乾燥を防ぐのが早道。でも市販の目薬には防腐剤が入っているので、1日5~6回の点眼にとどめましょう。ドライアイ状態がひどい場合は、眼科で専用の目薬を処方してもらうほうが安全です。