あなたの「肌年齢」は、何歳ですか?

鏡をみていてある日とつぜん、小さなシミやシワに気がつく……女性ならだれでも、ドキッとする瞬間です。肌の老化は、年齢とともにだれにでも起こることですが、ケアをしっかりしている人と、そうでない人では、個人差が大きいのも事実。シミ、シワ、くすみなどが多いと、どうしても実年齢よりもふけてみられがちです。あなたの「肌年齢」は、いくつでしょうか。
肌の老化を促進する5大要因
肌の老化や肌荒れの原因……それは紫外線、乾燥、加齢、食生活、ライフスタイルの5つ。そのうちもっとも影響の大きいのは、紫外線と乾燥です。
紫外線
紫外線をあなどるとこわい
肌を傷つけ、老化させる原因の第一位、それは紫外線(UV)による「光老化」です。どれだけ紫外線を浴びるかで、肌の老化の程度も決まるといわれるほど。紫外線を浴びると、肌を保護するためにメラニンが生成されます。ところがくり返し紫外線を浴びていると、メラニンの合成が促進され、色素沈着を起こし、これがシミの原因になります。また肌のなかのコラーゲンなどがこわされて弾力性を失い、シワやたるみができてきます。
紫外線への誤解
紫外線というと、真夏、日当たり、海辺といった限定的なイメージをもっていませんか。じつはそのどれもが誤解。まず紫外線は真夏に限らず、一年中ふりそそいでいます。3月頃から急速に増えはじめ、5月にピークになり、9月頃までは高い状態がつづきます。しかも冬になっても、夏の半分程度の量はあるので油断はできません。日当たりでは紫外線が多いのは事実ですが、木陰でも量は減るものも紫外線の影響を受けます。同様に、曇りの日でも紫外線はふりそそいでいます。
そしてギラギラと太陽の輝く海辺はもちろんですが、それよりも怖いのは。標高の高い地点ほど紫外線が多いこと。高原や山では、平地の1.3~1.5倍もの量になるのです。
どっきりデータ
紫外線(UV)には波長の長さによって、A、B、Cの3種類があります。肌に影響を与えるのは波長の長いUVAと、中くらいのUVBです。UVAは、肌の奥深く(真皮)にまで浸透し、次第に肌のハリや弾力性をこわす原因となります。窓ガラスを通して室内にまで入ってくるので、日の当たる窓辺にいるときや、車に乗っているときも要注意。もう一つのUVBは、急速に肌の表面を焼き、メラニンの増加や色素沈着を引き起こします。メラニンは小麦色の肌をつくるもととなりますが、若い人でも浴びる量 が多かったり、くり返し浴びているとシミの原因となります。
紫外線を避ける
紫外線対策の基本は、できるだけ紫外線を浴びないこと。外出時には日焼け止めを塗る、帽子をかぶる、日傘をさすといった習慣を身につけましょう。テニス、ジョギング、ゴルフなどの屋外運動をするときにも、つば広の帽子やサンバイザーを忘れずに。
帽子や日傘の色は涼しげな白が一般的ですが、いちばん紫外線をカットしてくれるのは黒。黒は白の約10倍も、紫外線をカットする効果があります。ただ黒や濃紺は熱を吸収しやすいので、濃い色を選ぶときは風通しのよい素材やデザインにして、熱がこもらないようにしましょう。白を選ぶときには、UVカット加工のものを。
日に当たると肌が赤くなる人は、紫外線の影響を受けやすいタイプです。長袖の服にしたり、手袋をして、肌の保護を心がけましょう。
スキンケア商品は自分に合ったものを
紫外線の防止を目的にした化粧品には、いろいろなタイプがあります。紫外線の透過量をコントロールして上手に日焼けするものと、ヒフへの紫外線の透過を防ぐものに大別されますが、それぞれにオイルタイプ、乳液・クリームタイプ、ファンデーションタイプなどがあります。説明書をよく読んで、自分の目的や肌に合ったものを選ぶのが基本です。肌に合わず、チカチカするようなときにはすぐに使用を中止して、肌に刺激を与えないようにしましょう。
さいきんは化粧崩れしにくい耐水タイプのものが出ていますが、それでもくり返し汗をかいたり、ハンカチで顔を拭いたりすると、少しずつとれてしまいます。過信せずに2~3時間ごとに見なおし、落ちていたらこまめに塗りなおすのがコツ。
知っていますか?
UVカット化粧品にみられる、「SPF10」とか「PA+」といった表示の意味を知っていますか。SPF(サン・プロテクション・ファクター)は主としてUVB防止、PA(プロテクション・グレード・オブ・UVA)は主としてUVA防止のレベルを示しています。SPFは数値が大きいほど(最高50)、またPAは+の数が多いほど(最高+++)、それぞれ紫外線防止効果が高いことを意味しています。
目安としては、日常生活では「SPF10前後、PA+」で十分です。屋外での軽いレジャーなどのときは「SPF10~30、PA++程度」、またマリンスポーツや春スキーのような炎天下でのスポーツ時は、「SPF50、PA+++」がお勧めです(日本化粧品工業連合会『紫外線防止用化粧品と紫外線防止効果』より)。
乾燥
肌荒れの原因は乾燥に
冷暖房ともエアコンという生活が普通になり、肌は一年中乾燥状態にさらされています。肌によい湿度は60~65%ですが、ほとんどのオフィスのエアコンは快適さを優先して湿度50%以下に設定されています。自宅がマンションなら、機密性が高いのでオフィスと同じ状態と思っていいでしょう。
エアコンのきいた部屋にいると、肌から水分が奪われてカサカサになり、肌荒れを起こしやすくなります。それだけでなく肌が本来もっている保湿調節機能がおとろえ、うるおいが保てなくなり、小ジワが生じ、老化が始まります。
生活にうるおいを
肌の乾燥対策として、まずエアコンの風がからだに直接あたらないようにすること。お風呂上りに裸でいつまでもエアコンにあたるのは禁物です。
部屋の湿度を高めるには、身近に鉢植えの観葉植物や花瓶にいけた切花など、水分を放出してくれるものを置くのもいい方法です。コップ1杯の水をデスクに置くだけでもかなりの違いがあります。加湿器も便利ですが、手入れが悪いとカビや細菌などが発生することがあるので要注意。
からだの内側から水分を定期的に補給することも大切。デスクワークで汗をかかないときでも、お茶やミネラルウォーターなどを多めに飲むようにしましょう。
保湿ケアはこまめに
肌がかさついているなと感じたら、保湿ケアはこまめに。メイクのときは、洗顔のあと化粧水で水分をたっぷり補給し、保湿液で肌に膜をつくってから、保湿成分の入ったファンデーションで、というように肌を乾燥からしっかりガード。
洗顔はぬるま湯で洗顔料をしっかり泡立て、きめのこまかい泡をつくるのがポイント。ゴシゴシこすらず、泡でそっとなでるように洗います。洗顔料が顔に残らないように、10回程度は流してください。
入浴は、シャワーだけよりもお湯につかるほうが肌の新陳代謝が促進されます。水分保持機能も回復し、化粧水などの浸透もよくなります。少しぬるめのお湯を腰まで入れ、保湿剤入りの入浴剤を入れてゆっくりつかり、顔だけでなく全身の肌をリフレッシュさせましょう。
どっきりデータ
肌の角質層はもともと、乾燥から保護する成分NMF(天然保湿因子)やセラミド(細胞間脂質)、皮脂膜などの働きによって、水分が保たれています。角質層の水分が15~20%に保たれているのが理想的な状態。ところがNMFは、お湯の温度が40度を超すと溶け出すといわれています。したがって洗顔も入浴も、40度以上の高温をつかわないことが保湿のポイント。また皮脂の浮きやすい人は、洗顔のときに強くこすりたくなりますが、そうすると水溶性のセラミドも減少してしまい、乾燥肌や肌荒れの原因となります。タオルで顔をふくときも、こするのではなく、タオルを顔にそっと押し当て水分を吸い取るようにしましょう。
知っていますか?
Tゾーン(ひたいから鼻の部分)とほかの部分では、メイクのくずれ方がかなり違う……ほとんどの女性がそう感じているのでは。これは、Tゾーンの皮脂腺がほかより多いことが原因。ファンデーションを同じにすると、どうしてもTゾーンのほうがくずれやすくなります。Tゾーンの皮脂分泌が多い人は、保湿ケアのあと、メイクのまえにTゾーンにだけ、毛穴を引き締め、皮脂をおさえるエッセンスをつけておけば、バランスをとることができます。
加齢・ライフスタイル
最近は、食生活の乱れが原因で体調をくずす女性が増えています。たとえば、あなたはこんな食べ方をしていませんか?
肌の曲がり角は2度ある
25歳はお肌の曲がり角といわれますが、女性にはもう一度、30代後半から40代に女性ホルモンの減少やバランスの乱れによる曲がり角があります。20代後半の曲がり角では、乾燥や食生活の乱れ、ストレスなどが原因の肌荒れ、小ジワが生じやすくなります。30代後半からは皮脂の減少によるかさつきや、コラーゲンの減少によるたるみ、メラニン合成の促進によるシミが目立ちやすくなります。
とくに肌年齢に差がつくのは、第2の曲がり角の時期ですが、たるみやシミはとつぜん起こるのでなく、若い頃からの積み重ねが原因。紫外線や乾燥に対するケア、食生活やライフスタイルなど、さまざまな要因によって肌の老化速度も違ってきます。
肌にいい生活習慣を
あなたは何時頃にベッドに入りますか。肌の細胞は睡眠中に、ホルモンの働きなどによってリフレッシュします。その一つ成長ホルモンには、女性ホルモンなどと一緒になって新陳代謝を促進し、ヒフ細胞のダメージを修復してくれる働きがあります。成長ホルモンの分泌がもっとも盛んなのは、夜の10時~深夜2時のあいだ。この時間帯に起きていると、ホルモン分泌が阻害され、肌の回復力も低下してしまいます。睡眠時間は足りていても、深夜2時に寝て朝9時に起きるのでは、肌にはあまり効果がありません。夜更かしせず、11時か12時にはベッドに入りましょう。
タバコとお酒の飲みすぎも、肌の酸化作用を助長して、肌荒れや老化の原因となります。したがって夜更かししてお酒を飲み、タバコを吸うような生活は、肌には最悪と思ってください。
肌の健康はからだの内側から
食生活を見直す
「朝抜き、昼そば、夜どか食い」というパターンは、かつて男性サラリーマンの悪しき習慣でした。それがいまや女性にも急増中。この食生活パターンのもっとも悪い点は、夕食に高脂肪の食事をすること。夜間はエネルギー消費量が減るため、睡眠中に脂肪分が血液中に流れ込み、コレステロール値が高くなります。肥満になりやすいだけでなく、糖尿病や動脈硬化の原因にも。むしろ朝と昼はしっかり食べ、夜は動物性脂肪を控えめに。夜はお酒という人も、ビール大瓶1本がご飯1杯分に相当することを忘れないように。
知っておきたい、食べるスキンケア
スキンケアに効果がある食品(栄養)が、さいきん注目されています。その一つは、シミやソバカスを薄くするといわれる酵母。パンやビールなどに含まれる酵母の成分には、シミの原因となるメラニンの過剰生成をおさえる働きがあります。
赤ワインで有名になったポリフェノールですが、肌の老化防止にはリンゴにふくまれるポリフェノールも効果的。リンゴ・ポリフェノールには、紫外線やストレスなどによる活性酸素の生成を抑え、細胞の酸化(老化)を防ぐ働きがあるといわれます。
肌のたるみやシワは、コラーゲンの減少が一因。コラーゲンは鶏肉の皮や手羽先、牛スジ肉、ゼリー(ゼラチン)、フカヒレなどに多く含まれています。第2の曲がり角の時期からコラーゲンの減少が目立つようになるので、しっかり補給しましょう。
こうした食品をとるときに、一緒にとりたいのがビタミンC。ビタミンCはそれ自体にコラーゲンの体内での生成を助け、肌の老化防止効果があるからです。
肌から内臓の健康状態を知る
「肌は内臓の鏡」といわれるように、肌のトラブルの原因がからだの内側にあることも少なくありません。胃腸障害や便秘、ダイエットによる栄養失調、月経不順、アレルギー、ストレスによる自律神経失調、更年期障害などは、とくに肌にあらわれやすい傾向があります。ひとつの目安として、次のような原因を知っておきましょう。
・肌のかさつき……肌の原料となるタンパク質の不足(肉類、大豆など)、ビタミン不足(A、B2、E)などの栄養障害。
・ニキビなどの吹き出物……胃や腸などの消化不良、便秘。月経不順。ストレス。
・湿疹やかゆみ……アレルギー。ビタミン不足(C、B2)などによる抵抗力の低下。ストレス。
・くすみ……貧血、低血圧、血行不良。
・目の下のくま……不規則な食事や栄養障害による血行不良。睡眠不足などにともなう疲労。
・手足のひどい肌荒れ……更年期にともなう女性ホルモンの乱れ。洗剤などによる主婦湿疹。
こうした症状がみられ、薬用クリームなどを塗っても改善されないときは、からだの内側の原因を考え、内科や婦人科を受診してみましょう。
