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美足の大敵「タコ・魚の目」ってどんな病気?

 靴をぬいだとき、指やそのつけ根のあたりに、赤くはれたり、固くなったりしているところはありませんか。もしあったら、それがタコや魚の目の予備軍です。たいしたことないと放っておくと、どんどん角質化が進んで素足になるのがはずかしい状態に。それどころか悪化して、痛みで歩けなくなることも…。そうなる前に、チェック&ケアを。

タコと魚の目はどう違うの?

タコ・魚の目とは?

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 タコというのは、足の裏や指が靴などにあたり、その部分が角質化した状態のことです。ヒフが厚く盛り上がり、手でさわると固く感じます。慢性化すると表面 が白くカサカサになり、ストッキングがひっかかったりもします。
 魚の目は、角質化した部分の中央に芯(核)ができ、ヒフの奥深く(真皮)へと入り込んでいったものです。神経を刺激するため、痛みを感じるようになります。
 できやすい場所は、足の指の背(上側)、指と指のあいだ、足裏の第2指と第3指のつけ根あたり。いずれも靴による圧迫や摩擦を受けやすい場所です。少数ですが、かかとにできる人もいます。

原因のほとんどは、足に合わない靴

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 タコと魚の目では症状が違いますが、原因のほとんどは「足に合わない靴」です。たとえば小さめの靴をはいていると、足の指やつけ根などが靴にあたり、圧迫され続けます。靴幅がせまく、指が両側から圧迫されると、指と指の摩擦が起こります。こうした圧迫や摩擦の結果 、ヒフは自分を守るために固くなり、タコや魚の目になります。
 では大きめの靴ならいいのかというと、それも間違いです。大きめの靴は、足が靴の前側へとすべっていき、やはり指やつけ根のあたりが圧迫されて、同じことが起こるのです。

あなたの足はどんな足?

足の裏をチェックしてみましょう

 タコや魚の目のできやすい足があります。その代表が開張足(かいちょうそく)。まず靴下を脱いで、自分の足の裏を観察してください。
 親指のつけ根と小指のつけ根あたりに、ぷっくらとふくらんだ部分があります。そしてかかとも盛り上がっています。この3点をむすぶ逆三角形のラインを描くと、それぞれのラインの中央部分は少しアーチ状にへこんでいます(いちばん大きなアーチは、内側のタテラインの土踏まず部分)。この3つのアーチ(くぼみ)がきれいにできているのが理想的な足の裏の形です。アーチはばねになっていて、体重を支えています。
 開張足というのは、親指と小指のつけ根をむすぶ横のラインの中央に、くぼみがなく、ベタッとした足のことです(横のラインのくぼみは、土踏まずほど大きくはありません)。むしろ第2指から第3指のつけ根付近が、盛り上がっている人もいます。こうした開張足の人は、横ラインの中央部が靴底の圧迫を受け、そこにタコや魚の目ができやすくなります。
 開張足かどうかは、靴の内底や中敷(インソール)をみてもわかります。第2指と第3指のつけ根のあたる部分が汚れていたり、すりへっていれば、そこに力がかかっていることになるからです。
開張足を直すレッスン
 開張足の原因で、女性によくみられるのは、運動不足と立ち仕事などによる疲労です。運動不足、とくに歩くことをあまりしないと、指の骨をつなぐじん帯が弱ってきます。その状態で立ち仕事などを続けていると、疲労のためにじん帯が伸びきった状態になります。こうしたじん帯のゆるみが、開張足を起こすのです。
 開張足は自分である程度は治すことができます。床にフェイスタオルを広げ、その端に裸足の足をのせます。そして指でタオルをたぐり寄せる練習をします。もっとハードなものでは、フローリングの床に裸足で立ち、指で床をつかむようにして前進します。どちらも開張足の予防だけでなく、血行をよくして足の疲労回復にもつながります。でも1回2~3分程度にして、疲れすぎないようにしましょう。

ハンマートゥ・巻きヅメ・内反小趾も要注意

 ハンマートゥは、靴のつま先部分がきついために指が伸ばせず、指の関節がハンマーのような形で曲がったままになった状態です。裸足のつま先をみて、指の関節が曲がってピョコンと飛び出していたら、それがハンマートゥです。曲がった指の背が靴にあたるため、そこが角質化しやすくなります。
 巻きヅメ(爪)は、伸びたツメの両端がヒフに食いこんだ状態です。先の細い靴でつま足が両側から圧迫され続けると起こります。巻きヅメ気味の人は、指と指がこすれ合うので、指のあいだにタコや魚の目ができやすくなります。
 内反小趾(ないはんしょうし)は、小指が圧迫を受けて変形した状態です(親指側に起こるのが外反母趾)。小指の外側にタコや魚の目ができる人は、放っておくと小指が変形し、手術の必要がでてくるので十分に注意しましょう。

あなたの靴はどんな靴?

こんな靴がタコ・魚の目の原因に

 タコや魚の目ができやすい靴のタイプは、まずサイズが合っていない靴。寸法(長さ)はもちろんですが、忘れてはいけないのが靴の幅。細身の靴はきれいにみえますが、指のつけ根やつま先がきつく感じるものはダメ。指をおさえつけると、どうしてもタコや魚の目ができやすいからです。
 次に底の薄い靴。底が薄いと地面から受ける衝撃(ステップショック)が大きく、足の裏が圧迫されます。薄底の靴を買うなら、クッション性のいいインソールを敷いて、タコ・魚の目の予防をしましょう。
 3番目はヒールの高い靴。ヒールが高いと、指のつけ根の横ラインに大きな荷重がかかります。とくに開張足気味の人は注意が必要です。仕事がらハイヒールの多い人は、少し大きめのサイズを選び、インソールを前半分に入れるといいでしょう。ただし、かかとが浮くような大きな靴は×です。日頃から、タコ・魚の目用の保護パットなどでフットケアを心がけることも忘れずに。
靴選びのワンポイントアドバイス
 靴の理想は、「きつからず、ゆるからず」。靴店ではかならず両足ともはいてみて、歩いてみましょう。腰かけたりかがんだりして、つま先やくるぶし、かかとなどにあたるところがないかどうか確認します。モデル風に一直線上を早歩きしてみると、あたる個所がわかりやすくなります。
 足は夕方になるとむくんで大きくなります。この時間帯に、ピッタリの靴を買っておけば、あとできつくて足が痛いということもなくなります。

自分でタコを削ったり、魚の目をほじったりするのは禁物

軽いうちなら保護パッドで治す

 靴がよくあたる部分は、脱いだときにチェックすると、赤くはれたり、固くなりかけているので、すぐわかります(タコや魚の目の初期段階)。
 痛みがあまりない程度なら、その部分に市販のタコ・魚の目用の保護パッドを貼っておきます。保護パッドは靴による圧迫や摩擦を防いでくれるので、軽い症状ならしばらく貼っておくと自然に治っていきます。

シロウト療法は危険なことも

 角質化が進んでカチカチに固くなると、自分でカミソリやカッターナイフなどで削る人がけっこういます。でも、そこにはちょっとした落とし穴が。
 じつはカミソリなどで削ると、消毒が不十分なためにバイ菌が入り、足やリンパ節の炎症を起こす人が少なくありません。とくに魚の目は、芯をほじくりだそうとして深く削りすぎ、炎症を起こしがちなので要注意。
 自分で治すなら、タコや魚の目を除去する薬剤の入った保護パッドを利用するほうが、衛生面 からも安心です。昔から伝えられている民間療法では、お灸のようにもぐさで焼いたり、アロエ酒(アロエの葉を干してホワイトリカーにつけこんだもの)で湿布する方法などもあります。

しつこいタコ・魚の目は病院で検査を

 自分で削ったりほじったりしないほうがいいのには、もうひとつ理由があります。タコや魚の目だと思っていたのが、じつはウイルス性のイボということがあるからです。ウイルス性のイボは、削ったりするとほかにも感染し、広がってしまいます。
 もし保護パッドなどで治らないときは、早めに病院(皮膚科)で検査し、タコや魚の目かどうか調べてもらいましょう。痛みがひどかったり、悪化したりした場合には、病院でいろいろな方法(レーザーや電気メス、薬をつかった除去法など)でとってもらうこともできます。手術法によっては保険のきかないものもあるので、事前によく確認しておくことも大切です。
 手術で除去しても、自分の足に合わない靴をはき続けていると再発します。予防の基本は、靴選びにあることを忘れずに。

他の病気との関連性

 女性に多いのは冷え性との関連性。とくに足の冷えやすい人は、血行不良からヒフの角質化が起こりやすいといわれます。タコ・魚の目・靴ずれなどのケアは早めにして、悪化させないように気をつけましょう。
 中高年の方では、動脈硬化や糖尿病と関係していることもあります。動脈硬化の場合には足の血行不良から、糖尿病では末梢神経の障害から、タコや魚の目ができやすくなるからです。反対に、タコや魚の目が治らないことから、動脈硬化などの病気が発見されることもあります。靴などの原因が思いあたらないときには、こうした病気も疑い、検査を受けてみてください。