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こんな「ダイエット」は逆効果で危険!!

 ダイエット依存症って、知っていますか? いろんなダイエットをくり返すうちに、ダイエットをしていないと不安になり、次から次へとさまざまなダイエット・メニューを渡り歩く人のこと。体重が減ろうが減るまいが、とにかくダイエットしていないと落ち着かないのです。 そんなふうになる前に、あなたのダイエットを見直してみませんか。間違ったダイエットをしていると、かえって太ったり、体調をくずすことも。ときには死に至る危険さえあるのです。

リバウンドへの誤解

リバウンドを甘くみない

 ダイエットでせっかく数キロ体重が減ったのに、ちょっと油断したら元の体重に戻った、という経験はありませんか。そう、リバウンドです。
 じつはこのリバウンドこそ、ダイエットの大敵。というのも、体重が減るときには体脂肪だけでなく、筋肉も一緒に減ります。ところが体重が戻るときには、特別 な運動でもしていないかぎり筋肉は戻らず、体脂肪ばかりが増えるのです。つまり、体重は元の数値でも、体脂肪率はぐんとアップしているというわけ。だからリバウンドをくり返していると、かえって体脂肪の多い、太りやすい体質になってしまうのです。体脂肪については、同じホームページの「かくれ肥満は健康とプロポーションの大敵」をお読みください。

リバウンドしやすいダイエットとは?

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 リバウンドしやすいダイエットの典型は、ノンカロリーあるいは低カロリー食品だけを食べるダイエット法。ありますよね、昔も今も。トウフとかコンニャク、リンゴ、キノコ、海藻、ヨーグルト""。単一の食品だけを食べるダイエットは、摂取カロリーが減るのでたしかに一時的には体重が減ります。でも一生そればかり食べるわけにはいきません。栄養バランスのくずれから、脳や体が欲求不満状態にあるため、反動からつい食べすぎるようになり、元に戻ってしまうのです。
 低カロリー食品でダイエットするなら、トウフなどの低カロリー食品をいくつか上手に組み合わせて、栄養バランスを考える必要があります。そんな面倒なことできない? そういう人は、糖尿病食の本がいろいろ出版されているので、それを参考にしましょう。糖尿病食のメニューこそ、究極の低カロリー健康ダイエット食なのです。
 リバウンドしやすいもう1つのダイエットは、食事を抜く方法。1日1食とか2食にすると、脳や体が危機感をもち、脂肪分をため込もうとします。またお腹が減るので、つい間食をしたりするようになります。その結果、リバウンドで体脂肪体質になりやすいのです。
とびっきりエピソード
 リバウンドのくり返しは、精神的にもよくありません。挫折感から「自分はダメだ」と思い始め、自己嫌悪におちいり、やがて拒食症になるケースも。『イエスタディ・ワンス・モア』などの大ヒット曲で知られたカーペンターズのカレンは、ダイエットにともなう拒食症から下剤を大量に使うようになり、ついに命を落としたのです。ダイエット依存症には、こうした危険性もあることを知っておきましょう。

低インシュリン・ダイエットへの誤解

低インシュリン・ダイエットとは

 低インシュリン・ダイエットのことは、名前ぐらいは聞いたことがあるでしょう。簡単にいえば、消化吸収の遅い食品を食べることで、インシュリンの分泌量をおさえ、脂肪細胞への蓄積を減らすダイエット法のこと。
 消化吸収の効率を、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)の上昇スピードで示したのがGI値(グリセミック・インデックス)。このGI値の低い食品を選ぶことで、ダイエットできるというわけです。
 なかなか理にかなった方法なのですが、低インシュリン・ダイエットでかえって太ったという人がけっこういます。それは何故でしょうか。

誤解は失敗の元

 低インシュリン・ダイエットでは、カロリーや脂肪分を気にせず食べていいと思っている人が少なくありません。ここに誤解の原因が。
 たとえば白米よりパスタのほうがGI値が低いと知って、パスタばかりを食べる人がいます。いくらGI値が低くても、たくさん食べたらカロリー・オーバーとなり、太るのは当然。パスタを主食とするイタリア人は、みんなやせていますか?カロリーを気にしないでいいダイエットなんて、ありえません。
 低インシュリン・ダイエットは、比較の問題として、主食なら白米より玄米とかパスタのほうがGI値が低い、という意味なのです。けっしてカロリーや脂肪分を気にせず、たくさん食べても大丈夫ということではありません。それにパスタばかりを食べていたら、リバウンドの話にあるように、単一食品のダイエットと大差のない状態に。低インシュリン・ダイエットでも、栄養のバランスと、カロリーはしっかり管理する必要があることを忘れずに。
 また玄米やパスタは消化が遅い分、胃に負担がかかります。胃もたれなどの原因にもなるので、胃の弱い人には控えめに。食べるときは、時間をかけてよく噛みましょう。
どっきりデータ
 インシュリンはすい臓から分泌されるホルモンで、食べたものをブドウ糖に換え、エネルギーとして細胞に送る役目をしています。食べすぎや早食いをくり返していると、次第にインシュリンの働きが低下し、血液中にブドウ糖があふれだします。これが糖尿病で、最近若い世代にも急速に患者が増えています。糖尿病になると、女性は妊娠や出産に影響することもあります。食事のときはGI値だけでなく、「腹八分目」と「ゆっくり食べる」ことも忘れずに。

「やせ薬」への誤解

健康食品は安全という思い込み

 中国製のやせ薬(健康食品)で、たくさんの被害者がでた事件のことをおぼえていますか。あの事件は、いろんな誤解が生んだダイエットの悲劇だといえます。
 誤解の第1は、健康食品は安全だという思い込み。とくに中国製と聞いて、ほとんどの人が「漢方だから安全だ」と思っていたようです。ところがあのやせ薬には、劇薬に相当する化学合成の成分がいくつも含まれていました。それが肝機能障害を起こし、死に至るほどの副作用をもたらしたのです。
 誤解の第2は、簡単に手に入るやせ薬があるという思い込み。。たしかに肥満症の薬はありますが、それは病的な肥満に対して病院で処方されるもの。市販の健康食品は、ダイエット効果が科学的に認められているわけではなく、体質に合えば効く人もいるという程度のこと。過度の期待はしないほうがいいでしょう。

個人輸入のものはとくに注意を

 誤解の第3は、インターネットなどで販売されている海外の健康食品への過信。最近は個人輸入などの方法で、海外の医薬品や健康食品が簡単に手に入ります。でもその中には、日本で認可されていない成分を含むものが少なくありません。
 ときどき「これはアメリカのFDA(食品医薬品局=日本の厚生労働省に当たる)で認可されたものだから安心だ」といったりする人がいます。ところが調べてみると、副作用が発見されて問題になっていたり、認可が取り消されているケースがあります。たとえば中国製のやせ薬にも含まれていたフェンフルラミンは、元は食欲をおさえる肥満症の薬として認可されていました。ところが心臓などに重い副作用が多く発生したことから、数年前にすでに禁止になった薬物です。
 海外から個人輸入の形で入ってくる薬や健康食品には、成分などの安全性の情報が不足しているため、こうしたリスク(危険性)があることを忘れてはいけません。

副作用があったらすぐやめる

 もしやせ薬と称するものを使っていて、頭痛、吐き気、だるさ、発疹などの副作用がみられたら、すぐに使用をやめましょう。中国製のやせ薬では、こうした副作用を「ダイエット効果 が出ている証拠」と思っていた人が多く、症状を悪化させてしまったようです。症状がおさまらないときには、早めに病院を受診してください。
 中国製やせ薬では、飲み始めて1週間程度で5キロもやせた人が少なくなかったとか。こうした急激なやせ方は、ダイエット効果ではなく、体に異変が起こっているため。「やった」などと思わず、むしろ「おかしいぞ」と思うべきです。健康的なダイエットの目安は、1ヵ月に2~3キロ程度の減量です。

ダイエットと栄養失調

ダイエットをしていたら、疲れやすくなったとか、怒りっぽくなった、めまいがしたといったことはありませんか。
 ダイエットの主流は、食事制限によるもの。そのため知らないうちに、栄養失調を起こしている人が少なくありません。とくに女性に影響を与えやすいのは、タンパク質、カルシウム、鉄分、食物繊維の4つです。

1.タンパク質の不足・・・・ 動物性脂肪がよくないからと肉類を食べないでいると、活動源となるタンパク質が補給できません。疲れやすい、やる気が出ない、根気がないといった症状は、それが原因。ロースではなく、ヒレ肉を網焼きにし、肉汁はかけずに大根おろしで食べるといった工夫で、良質のタンパク質をとりましょう。
2.カルシウム不足・・・・・・ 20代、30代の女性は通常でも、カルシウム摂取量が平均より不足しています。ダイエットをするとますますカルシウムが不足し、骨が弱くなり、骨折や骨粗しょう症の原因に。カルシウムが不足すると、イライラ、集中力散漫、キレやすいといった症状もみられがち。牛乳、小魚、チーズなどをしっかり食べましょう。
3.鉄分不足・・・・・・・・・・・・ 女性はもともと生理などで鉄分が不足しがち。ダイエット中に貧血、めまい、立ちくらみ、息切れなどの症状があったら要注意。ひじき、レバー、シジミなどの貝類、まぐろの赤身などで補給を。
4.食物繊維・・・・・・・・・・・・ ダイエット中に便秘になる原因がこれ。食物繊維が不足すると、腸の働きが悪くなるからです。コンニャク、ひじき、さつまいもなどで補いましょう。
どっきりデータ
 鶏肉はカロリーが低いと思いがちですが、そうとはかぎりません。たとえば皮つきの手羽肉は豚のヒレ肉よりも、また皮つきのモモ肉は牛のモモ肉よりも、ずっとカロリーが高いのです。これは皮の部分に脂肪分が多いため。だからダイエットのときには、皮はとります。肉類でもっとカロリーが低いのは、鶏肉のささみ。100グラム当たり100kcal程度なので、これを蒸したり、煮たりするのがもっとも低カロリーの肉料理です。

効果的なダイエットとは

ダイエットのリズムを知る

 ダイエットに失敗する人の多くは、ダイエットのリズムを知りません。ダイエット効果が出て体重が減り始めても、しばらくすると停滞することがあります。この停滞期は、多くのダイエットにみられますが、ほとんどの人はこの時期に「効果がない」と思って挫折し、リバウンドさせてしまうのです。
 停滞期の時期や期間は人によって違いがあり、ときには2~3週間も体重変動がみられないか、逆戻りすることすらあります。でも、そのダイエットが体質に合っていれば、続けているとまた少しずつ効果が出てきます。中国製やせ薬のような極端なダイエットは別として、体に負担の少ない健康的な方法ならば、しばらく続けてみることも大切です。

運動が効果的なタイプとは

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 食事のコントロールだけでは、なかなか体重が落ちないタイプの人がいます。その典型は、内臓脂肪型の肥満。いわゆる、かくれ肥満の人です。
 もし「ウエスト÷ヒップ」が0.9以上なら、完全な内臓脂肪型。このタイプやそれに近い人には、運動が効果 的。食事だけでなくウオーキングやエアロビクス、水泳などを取り入れましょう。リバウンドをくり返すと、どんどんこのタイプに近づきます。

食事は時間で考える

 ダイエットの食事というと、カロリーやGI値ばかりを考えがち。それだけでなく、もっと体に合った食事時間も考える必要があります。
 人間の体は、朝から日中は動き、夜になると休むリズムが基本。それに合わせて、同じ食事でもカロリーの吸収率が違っています。たとえば朝から日中にかけては、グルカゴンというホルモンがよく分泌されます。このホルモンは、食べたものを筋肉に必要なエネルギーに換える働きをします。それに対して夜は、脂肪細胞にブドウ糖を取り込むインシュリンが多く分泌されます。
 もうお分かりですね。つまり朝や日中はしっかり食べても、筋肉エネルギーとなって消費されやすいのですが、夜は脂肪となって蓄積しやすいのです。だからダイエットをしたいなら、何を食べるかだけでなく、いつどれだけ食べるかを考える必要があるというわけです。アルコールもカロリーはかなり高いので、深夜まで飲むのはダイエットの大敵だと知っておきましょう。