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薬の上手な使い方、危険な使い方

 頭痛や月経痛などのとき、鎮痛薬のおかげで助かったという人は少なくないでしょう。よく効いたときの薬は、本当にありがたいものです。でも、薬という字を逆から読んでみてください。リスク(危険)!シャレではなく、使い方をあやまると薬は効かないばかりか、とても危険なことも。
 薬については、知っているようで知らないことがたくさんあります。自分のからだを守るためにも、薬の基礎知識を身につけておきましょう。

薬の基本をマスターする

薬は少な目の水で飲むほうが、よく効きますか?

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 水をたくさん飲むと、薬の効き目が悪くなると思っている人がけっこういますが、実際は逆です。薬はコップ1杯(200ml)程度の水かお湯で飲むほうが、吸収がよくなります。とくに鎮痛薬や抗生物質は、多めの水で飲んだほうが薬も十分に溶け、効き目もよくなります。胃の保護にもなるので、薬は多めの水で飲む習慣をつけましょう。
 またカプセル剤を少量の水で飲むと、ノドや食道にくっつき、炎症や潰瘍を起こすことがあります。飲み込む力の弱い高齢者はもちろんですが、若い人でも少量の水で急いで飲むと引っかかりやすいので、かならずコップ1杯の水で飲むことを忘れずに。

病院で「食間に飲むように」と薬をもらいました。食間とはいつのことですか?

 ほとんどの薬は、飲むべき時間(服薬時間)が決められています。「食前・食間・食後・就寝前・症状が出たとき」などが一般的です。このうちの食間というのは、食事と食事のあいだ(たとえば朝食と昼食のあいだ)のことで、食後2時間くらいが目安となります。
 ところが食間を、食事中のことだと思い違いしていて、食事の途中で薬を飲む人が少なくありません。そのため病院によっては「食間」という表現をやめて、「食事の2時間後」としているところもあるほどです。
 ちなみに食前とは、食事の20~30分前のこと。食後とは食事の20~30分後が目安となりますが、消化薬の場合には食後すぐのほうがよく効きます。

錠剤は割ったり噛み砕いて飲む方が、効き目が早いですか?

 薬を細かくすると、速く効くような気がしますが、それは間違いです。とくにさいきんの錠剤は、表面のコーティングにさまざまな工夫がみられます。たとえば胃で溶けずに腸で溶ける二重構造のもの、少しずつ成分が溶け出す徐放タイプなどです。こうした錠剤を割ったり、噛み砕いたりすると、かえって薬の効き目が悪くなったり、必要以上に効いたりしかねません。
 もし錠剤が大きくて飲みにくい場合には、医師や薬剤師に相談し、小さめのタイプに変えてもらうか、割っても大丈夫かどうか確認しておきましょう。
なるほど情報
 薬には大別すると、薬局でだれでも買える市販薬(大衆薬)と、医師から処方してもらう処方薬(医療用医薬品)とがあります。市販薬はだれが使っても安全なように、効き目がおだやかにできています。
 一方の処方薬は、医師の診断にもとづいて患者ごと、病気ごとの症状に合わせて処方されるもので、効き目が強いという特徴があります。それだけに間違った使い方をすると、副作用などの可能性もあるので、使い方などで不明の点があれば遠慮せずに医師や薬剤師にたずねておきましょう。

こんな使い方は危険

 薬は、使い方を知らなかったり、間違えたりすると危険なこともあります。あなたは、こんな使い方をしていませんか。

病院でもらった風邪薬が残りました。家庭用にとっておきたいのですが、いいのでしょうか?

どこの家庭にも、病院でもらった薬が残っているのではないでしょうか。もったいないとか、家族が同じ病気になったときに…と思いがちですが、薬にも使用期限があります。とくに病院の処方薬は一般に、市販薬とくらべて使用期限が短くなっています。
 また病院の薬は、あなた用に処方されたもので、家族や友人が使えるものではありません。実際に、奥さんが病院でもらった風邪薬の残りをご主人が使用し、アレルギーを起こして重体におちいった事故もあります。子供が誤って飲む可能性もあるので、病気が治ったら、早めに捨てるようにしてください。

薬を飲み忘れたのですが、次の服薬時間に2回分を飲めばいいですか?

 市販薬の場合には、「飲み忘れに早めに気がついたなら、そのときに飲む」「次の服薬時間が近いなら、それまで待って1回分を飲む」のが一般的な解決法です。ただし薬を飲む間隔は、4時間以上あけてください。病院で処方された薬の場合は、薬や病気の種類によって対応の仕方が違うので、医師にたずねてください。
 市販薬であろうと処方薬であろうと、自分の判断で2回分を一度に飲むことは危険なのでしてはいけません。

病院で注射をしてもらったら症状がよくなりました。飲み薬も処方されたのですが、飲む必要はありますか?

 注射薬は速く効くかわりに、持続時間が短いのが特徴です。そのため一時的によくなったように感じても、そのままでいると症状がぶり返し、悪化してしまうことが少なくありません。注射のほかに飲み薬も処方された場合は、油断せずに決められた期間は飲むようにしてください。

ダイエットに効く薬はありますか?

 肥満症の治療薬をのぞくと、ダイエット用の薬というのはありません。下剤や利尿剤をダイエットに使用する女性がいますが、こうした薬にはダイエット効果は認められていません。
 むしろ栄養障害を起こしたり、副作用を誘発したりして、体調をくずしかねません。また薬物の依存症におちいる危険性もあります。ダイエットなど、本来の目的以外のことで薬を使用するのは絶対にやめましょう。
びっくり情報
 奥さんが自分用の坐薬を冷蔵庫に保管していたところ、ご主人が小分けのバターと間違えてパンに塗って食べてしまったというエピソードがあります。坐薬は、肛門から入れて腸(直腸)で吸収させるタイプの薬で、ふつうは細長いロケットのような形をしています。婦人科系の病気では、膣に入れる坐薬もあります。坐薬は、飲み薬ほど一般的ではないので、知らない人、使ったことがない人も少なくありません。坐薬を上手に使うにはちょっとしたコツも必要なので、病院で初めて坐薬を処方されたときは、医師か看護師に使い方を指導してもらいましょう。

鎮痛剤とのつきあい方

 女性にとって、鎮痛薬(解熱鎮痛薬)はもっとも身近な薬のひとつでしょう。薬局でも買えるポピュラーな薬ですが、その一方でからだに影響を与えやすい成分も入っているので、正しい知識を身につけておきましょう。

慢性の頭痛でいつも鎮痛剤を飲んでいますが、大丈夫でしょうか?

 鎮痛薬は、症状をおさえてくれますが、原因そのものを治療できるわけではありません。鎮痛薬を常用していると原因の発見が遅れることもあるので、頭痛の原因について一度きちんと検査をしてください。
 また、あまり効かない頭痛薬をいつも飲んでいると、頭痛薬が原因で頭痛が起こることもあります(薬剤起因性頭痛)。薬をやめると頭痛が消えたり、軽くなる人もいるので、試してみてはどうでしょうか。

鎮痛剤を飲んでもすぐに効かない場合は、すぐに飲み足した方がいいですか?

 いいえ。薬には「適量」といって、効き目と安全性の両面からみて、飲むべき量が決められています。決められた以上の量を短時間に飲むと、中毒などの副作用の危険性が高くなるので、自己判断で飲み足してはいけません。
 その薬が効かない場合には、病院で自分に合った薬を処方してもらうか、市販薬なら4時間以上あいだをあけてから違う薬に変えてみて、様子をみるようにしてください。

鎮痛薬を飲んでいるとき、風邪薬を一緒に飲んでも大丈夫ですか?

 鎮痛薬は解熱鎮痛薬ともいうように、解熱作用をもっているものが多くあります。一方の風邪薬にも、解熱作用をもつ成分が入っています。そのため両方を一緒に飲むと、相乗効果で薬が効きすぎてしまい、頭がぼんやりしたり、めまいを起こすなどの副作用が出る可能性があります。
 鎮痛薬とほかの薬を併用する場合には、医師や薬剤師に相談してからにしましょう。

胃が痛いとき、頭痛用の鎮痛薬でも効きますか?

 急に胃痛や腹痛が起こったとき、同じ痛み止めだからと解熱鎮痛薬を飲んでしまう人がいますが、これは逆効果です。頭痛や月経痛、関節痛などの神経系(末梢神経系)の痛みと、胃痛や腹痛などの内臓系の痛みでは、まったく原因が違います。それどころか解熱鎮痛薬には、胃を荒らしやすい成分がふくまれているため、かえって病気を悪化させる可能性すらあります。
 また胃痛の原因にも、食べすぎや食あたりなどから、ストレス性の胃炎や胃潰瘍など、さまざまあります。痛みがおさまらないときは早めに病院で検査を受け、原因に応じた薬を処方してもらいましょう。
なるほど情報
 私たちのからだには、痛みに対する自然治癒力が備わっています。おなかが痛いとき、そこに手を当てていると治ってしまったという経験は、だれにでもあるはずです。また出産時や激痛時などには、脳下垂体からエンドルフィンというモルヒネに似た強力な鎮痛物質が分泌され、私たちを助けてくれます。こうした自然治癒力を高めるためにも、日ごろから安易に鎮痛薬を使うことはさけたいものです。

飲み物・食べ物と薬の相性

  薬の種類によっては、飲み物や食べ物の影響を受けやすいものがあります。あなたは、こんなことをしていませんか。

牛乳で薬を飲むと、胃の保護に役立ちますか?

 鎮痛薬の場合は、空腹状態で飲むと胃に影響を与えやすいので、牛乳1杯でもおなかに入れておくと、胃の保護に役立ちます。
 その一方で、牛乳と相性のよくない薬も少なくありません。たとえば便秘薬は、牛乳と一緒に飲むと効きが悪くなります。抗生物質の中にも、吸収が悪くなって効果が弱まるものがあります(テトラサイクリン系)。反対に不整脈の治療に使われるジギタリス製剤のように、効果が強まって症状の悪化をまねきかねないものもあります。ですから空腹時に飲む鎮痛薬以外は、牛乳で飲むのはやめたほうがいいでしょう。

お茶やジュースで薬を飲んでも大丈夫ですか?

 お茶や紅茶にふくまれるタンニンは、貧血治療薬の鉄剤の効果を弱めてしまいます。またお茶やコーヒーなどにふくまれるカフェインは、一部の気管支拡張薬や胃・十二指腸潰瘍の治療薬の効果を強めてしまうことがあります。
 ジュース類の中では、グレープフルーツ・ジュースが血圧降下薬(カルシウム拮抗剤)やアレルギー治療薬(トリルダン)などの効き目を強め、過剰作用をまねきやすいことが知られています。
 一般に水やお湯以外のもので薬を飲むと、効き目が強まったり、弱まったりすることがあるので、やむをえない場合を除き、やめたほうがいいでしょう

風邪薬の眠気覚ましにコーヒーを飲んでも大丈夫ですか?

 風邪薬を飲んだあと、眠気ざましにコーヒーを飲んだり、栄養補給にドリンク剤を飲む人をよくみかけます。ところがさいきんの市販の風邪薬には、眠気を防ぐためにカフェインを配合したタイプのものがよくあります。それを知らずにコーヒーやドリンク剤を何度も飲むと、カフェインの過剰作用で頭痛を起こしたり、眠れなくなったりすることがあります。
 自分の飲む風邪薬はどういうタイプか、パッケージの注意書をよく読んでおきましょう。病院で風邪薬を処方してもらうときは、眠くなる薬かどうかを確認しておくといいでしょう。

アルコールが薬に影響を与えることがありますか?

 飲み物の中でも、もっとも注意を必要とするのがアルコールです。アルコールを飲んでいるときに薬を飲むと、薬に対する肝臓の解毒作用が遅れ、いつもより効き目が強くなる傾向があります。とくに睡眠薬、精神安定薬、鎮痛薬などでは効き目が増強され、意識障害を起こしたり、昏睡状態におちいることもあります。
 アルコールを飲んでいるときには、基本的に薬は飲まないこと。持病の薬を飲む必要がある人は、どうしたらいいかを医師に聞いておくことが大切です。

食べ物が薬に影響を与えることがありますか?

 心筋梗塞や脳梗塞の予防・治療に使われるワルファリンという薬は、ビタミンKの影響で効果が弱まることが知られています。そのためビタミンKをふくむ納豆や緑黄色野菜を、食べすぎないように注意する必要があります。とくに納豆は、食べたあとも体内で納豆菌がビタミンKをつくるため、週に2~3回食べただけでワルファリンが効かなくなることもあります。
 また高たんぱく食品が、血圧降下薬や気管支拡張薬などに影響を与えやすいことが知られています。こうした食べ物の影響については、病院で薬をもらうときに医師から注意があるはずなので、きちんと聞いておき、わからない点は確認しておきましょう。
どっきり情報
 2つ以上の病気で薬を使用する場合、別々の病院で処方された薬と薬の飲み合わせで、思わぬ作用が出ることがあります。たとえば更年期障害の治療で婦人科病院から自律神経調整薬を処方されている人が、風邪をひいて内科病院から解熱薬と鎮咳薬を処方されたような場合、眠気が出やすい薬が重なるため、頭がひどくぼんやりしたり、注意力が散漫になる可能性もあります。
 別々の病院や科を受診するときは、かならずいま使っている薬の名称を医師に告げてください。薬名がわからないときは、使用中の薬を持参するといいでしょう。

妊娠・授乳時に注意したいこと

 妊娠中には、母親の飲んだ薬が胎児に影響を及ぼすこともあります。薬の使用については、事前にかならず医師に相談しましょう。

妊娠を知らずに風邪薬を飲んでしまいましたが、大丈夫でしょうか?

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 母親の飲んだ薬が胎児に影響を与えやすいのは、妊娠のごく初期(4週~12週程度)に相当します。この時期に、胎児のからだの主要器官(脳、心臓、神経、消化器官、手足など)が形成され始めるからです。ところが自分では妊娠に気付かず、風邪薬や鎮痛薬などを飲んでしまう女性が少なくありません。
 まず基本的なアドバイスとしては、妊娠の可能性がある場合には、薬を安易に使用しないこと。風邪をひいたりしたときは、病院で医師に相談することが大切です。またX線撮影もしないようにしましょう。
 ただ、薬を飲んだからといって、胎児に影響を及ぼす確率はそれほど高いわけではありません。むやみに心配せず、いつどういう薬を飲んだかを医師にきちんと報告した上で、経過を見守るようにしてください。

妊娠中期以降なら、薬を飲んでも大丈夫ですか?

 いいえ。妊娠の中期から後期にかけてであっても、影響がないとはいえません。とくに解熱鎮痛薬は胎児に影響を与えやすく、子宮を収縮させて流産や早産のリスクも高まります。どのような薬であっても、妊娠中はかならず医師に相談してから使用するようにしましょう。

ぜんそくの持病があるのですが、妊娠したら薬をやめる必要がありますか?

 ぜんそくや糖尿病などの持病のある人が、自己判断で急に薬をやめると体調をくずす可能性があります。持病の主治医と、産婦人科の医師の両方に相談し、できるだけ影響の少ない薬に換えるなど、もっとも良い方法をとることが大切です。胎児にとっては、母体の健康こそが一番であることを忘れずに。

栄養補給にビタミン剤を飲んでも大丈夫でしょうか?

 飲む量によります。アメリカでは、妊娠初期にビタミンAを大量に使用すると、胎児に影響が出やすいという報告がみられます。ふつうに食事からとる程度ならまったく問題ありませんが、ビタミン剤を飲むときは医師に相談し、本当に不足しているものを適量だけ飲むようにしてください。

妊娠中の便秘に、下剤を使っても大丈夫でしょうか?

 一般に下剤は、胎児への直接的な影響は少ないとされています。ただ、からだにやさしいとされる漢方やハーブ系であっても、大黄、センナなどをふくむ下剤は子宮収縮を起こし、流産や早産の原因となることもあるので、かならず医師に相談してください。
 妊娠中には便秘になりやすいのですが、食物繊維の多い食べ物(きのこ類やバナナなどの果物、ごぼう、こんにゃくなど)を積極的にとったり、起床時に牛乳を飲んで腸を刺激するなどの方法で、できるだけ薬を飲まずに解消するようにしましょう。

男性が注意すべきことはありますか?

 男性が使用した薬の種類によっては、その成分が精子に作用し、胎児に影響することもありえます。とくに長い期間にわたり薬を使用しなければならないときは、精子への影響について医師に確認し、必要に応じて一時的に避妊するなどの方法をとることも必要です。

母乳をとおして、薬が赤ちゃんに影響することはありますか?

 母親が飲んだ薬のうち、母乳に入る量はごくわずかです。しかし、乳児はまだ薬の処理能力が弱いため、影響を受けないとはいえません。とくに解熱鎮痛薬、風邪薬、睡眠薬などの成分は母乳に入りやすい傾向があります。市販薬であっても、安易に飲まないようにしましょう。
 病院で薬をもらうときには、授乳中であることを医師に告げ、指示を受けてください。薬の種類によっては、一時的に母乳を中止したほうがよいこともあります。
なっとく情報
 妊娠中に注意すべきは、薬だけではありません。妊婦がタバコを吸っていると、低体重児が生まれやすい傾向がみられます。同居する人がタバコを吸っている場合にも、受動喫煙による影響は小さくないので注意が必要です。またアルコールも胎児に影響を与えることがあるので、妊娠中はタバコ、アルコールは控えましょう。