Women's Health

  • HOME
  • 女性のからだ情報
  • お悩み相談・Q&A
  • 運動・食事でヘルシーアップ
  • あなたの健康管理
  • 新着情報

HOME > 日常の予防 > ストレスは女性の敵?それとも味方!?

ストレスは女性の敵?それとも味方!?

こんな症状があったらストレスかも

画像

 ストレスとは、心やからだの「ゆがみ」や「ひずみ」のこと。ショックなことがあったり、嫌なこと、不快に感じることがつづくと、私たちの心とからだはさまざまな反応を示します。

心の反応……… なんとなくユウウツになる、不安がつのる、イライラする、感情的になる、新しいことに消極的になるなど。
からだの反応… なんとなくだるい、疲れやすい、動悸やめまい、頭痛・肩こり、月経不順、食欲不振、胃痛、下痢・便秘など。

 一つずつの症状はたいしたことがなくても、いくつか重なると気持ちが不安定になり、体調をくずすことも少なくありません。気づかずに放っておくと、心身症や神経症、さらにはうつ病へと進むこともあります。
 なんとなくユウウツ、なんとなくだるい…そんな状態がつづくときは、ストレスで心とからだがゆがんでいるのでは、と疑ってみましょう。

画像

なっとく情報
 ストレスというと、仕事や育児、人間関係などがまず連想されるでしょう。でもストレスには温度や湿度といった気候条件から、騒音や異臭などの環境条件、病気やケガ、解雇などの非日常的なできごと、過労や経済上の理由など、さまざまなものがあります。ときには昇進や結婚、出産といった喜びごとも、ストレスの原因に。生きていくことは、ストレスの連続だともいえます。それだけにストレスへの対処方法を知っておくことが大切です。

ストレスがたまるタイプとは

 一般に、次のような人はストレスがたまりやすいといわれます。
 ・せっかちで、すぐにイライラする。
 ・予定外のことがあると不安になりやすい。
 ・きまじめで、責任感が強い
 ・同じくらいのレベルの人がいると、ライバル視する。
 ・いいたいことがあっても我慢する。
 ・好き嫌いや感情で人を判断しやすい。
 ・自己評価が非常に高く、相手にも期待する。
 ・自己評価が低く、自分に自信がない。

 ストレスがたまるタイプには、仕事や家事がよくでき、責任感も強く、優秀な人が多いといわれます。その反面、頑張りすぎたり、自己評価がとても高く、競争心が強くてライバルを次々につくり、自分でストレスを生み出す面もみられます。
 また反対に、いいたいことがいえなかったり、自己評価が低く、自分のことを好きになれない人、自信のない人も、ストレスがたまるタイプです。

女性はストレスに弱い?

 女性は、ストレスの影響を受けやすいといわれます。それはホルモンバランスが、ストレスの影響で乱れやすいことからです。ホルモンバランスが乱れると、からだの機能を調節する自律神経系(交感神経と副交感神経)もバランスをくずし、不快な症状を起こしやすくなります。
また女性には、細かいことにこだわる、きまじめ、好き嫌いで人を判断するといった性格の人が多く、それも原因とひとつといえます。

 では女性はストレスに弱いのかというと、そうとばかりもいえません。たとえば失恋からの立ち直り。男性の場合、相手に未練をもち、悪口をいったり、ときにはストーカー的な行為をしたりと、人格にまで影響を受ける人がけっこういます。それに対して女性の場合は、駄目なものは仕方ないとあきらめられる傾向があります。これは女性がドライということではなく、現実に対応する能力が、女性のほうが優れているからだといわれます。

 また女性ホルモンは、ストレスの影響を受けやすい反面、コレステロールの増加をおさえて動脈硬化を予防する働きがあります。そのおかげで女性は、男性とくらべて脳卒中や心筋梗塞をはじめとした生活習慣病にかかりにくいメリットがあります。そのぶん病気によるストレスを受けにくく、男性より長生きできる理由のひとつとなっています。

 個人差はありますが、このように精神的にも肉体的にも、女性にはストレスに対応できる高い能力が備わっていることを知っておき、自信をもつことも大切です。
なるほどデータ
 アメリカの心理学者ホームズとレイは、私たちが経験するできごとをストレス面から数値化しました。これによると、もっとも高いストレスは「配偶者の死 100」で、次いで「離婚 73」「夫婦の別居 65」「刑務所などへの拘留 63」「肉親の死 63」「けがや病気 53」「結婚 50」「解雇 47」「夫婦の和解 45」「退職 45」「家族の病気 44」「妊娠 40」「性の悩み 39」などとなっています。

現代女性に増えている危険なストレス

 最近の女性に増えているのが、ダイエット・ストレスとテクノ・ストレス。

ダイエット・ストレスとは

 ブームともいえるダイエットですが、危険なストレス要因がたくさんふくまれています。第1に、「やせたい」「やせなければ」という思い込みによる精神的なストレス。第2に、無理なダイエットによる栄養バランスの乱れという肉体的なストレス。そして第3に、ダイエットの失敗による挫折感や罪悪感をともなうストレス。
第1段階では、テレビや雑誌でダイエット情報をみると、やらずにはいられなくなります。第2段階では、栄養バランスの乱れから、イライラ、やる気の低下、めまい、疲れ、肌荒れ、月経不順などを起こします。さらに第3段階になると、挫折感や罪悪感から自己嫌悪するようになり、拒食症や過食症へと進むことも少なくありません。

 ダイエットは本来、健康のためのもの。それがストレスとなるのではつまりません。ダイエット・ストレス状態にないか、一度見直してみましょう。

テクノ・ストレスとは

 長時間のパソコン作業によるテクノ・ストレスも、心とからだの両面に大きな負担を与えています。テクノ・ストレスは、まず目の疲れ、肩こり、背中や腰の痛みとなってあらわれます。
さらにパソコン作業は、脳(前頭連合野)を疲労させ、判断力の低下や、欲望と理性のコントロール機能の低下を引き起こします。そのため集中力や持続力がなくなったり、感情がコントロールできずにイライラしたり、感動する気持ちが薄れたりと、さまざまな影響を及ぼすことが知られています。

 パソコン作業中は規則的に休憩をとり、気分転換をすること。仕事でパソコン作業が多い人は、自宅ではパソコンを控えめにするなど、少しでもストレスを軽減する工夫をしましょう。

ストレスと上手に付き合うには

画像

 ストレスと上手につきあう方法は、たくさんあります。自分に合うものをみつけましょう。ここでは、社内に口うるさい上司がいて、それがストレスになっている場合を例にします。ほかのケースにも適用してみてください。

ストレッサー(ストレスの原因)を取り除く

 まずストレッサーが何かを、よく考えてみます。ほかに原因があるのに、それには触れたくないので、他人に八つ当たりしていることもあります。もし上司がストレッサーなら、取り除くことはできないので、この方法は無理だといえます。

ストレッサーを回避する

 仕事の形態にもよりますが、部署換えや転勤などを申請し、ストレッサー(上司)と会わずに済むようにできないか考えます。ストレッサーの回避は、もっとも効果的で確実なストレス解消法だといわれます。

プラス思考でストレスをとらえる

 ストレッサーを、プラス思考でとらえる工夫をしてみます。その上司が口うるさいのは、「自分に期待しているからだ」「自分のことを気にかけているからだ」と考えてみます。そして「期待に応えられるように頑張ってみよう」と思うことができれば、お互いの関係に変化がみられるはずです。

あきらめる

 あきらめることは、究極のストレス解消法ともいわれます。人間関係のストレスでは、相手への期待がストレスになることがあります。「上司はこうあってほしい」「自分をもっと評価してほしい」と期待し、それが実現しないとストレスになるのです。「上司はああいう人なんだ」とあきらめられれば、気持ちも楽になります。もしかしたら上司もあなたにストレスを感じていて、口うるさいのかもしれません。

相談できる人を持つ

 信頼して、何でも相談できる人をもつと、ストレスの軽減に役立ちます。ああしろこうしろとアドバイスが多い人よりも、じっくりあなたの話を聞いてくれるタイプの人を相談者にしましょう。

自分なりのストレス軽減法を身に付ける

 気分転換の上手な人は、ストレスがたまりにくい傾向があります。好きな趣味に没頭したり、趣味などを通じてまったく異なる人間関係の輪をつくると、ストレス軽減の受け皿ができます。嫌な気分を軽減できる場所があるというだけでも、気持ちは楽になります。

診察を受ける

 自分ではどうにもならないと感じたら、専門医(心療内科・精神科・神経科)を受診してみましょう。薬を使いたくないのなら、さまざまなリラクゼーション法を指導してくれるところもあるので、医師に相談してください。40歳以上の女性の場合は、症状によっては更年期障害の可能性もあるので、婦人科・産婦人科をまず受診しましょう。
どっきり情報
 ストレスを、自分でつくっていることがあります。その典型は、食生活の乱れや睡眠不足です。食事をきちんととらない、夜更かしするといった生活をつづけると、からだのリズムが乱れ、疲れがとれない、昼間もだるいといった症状が出やすくなります。脳の神経伝達物質の働きも悪くなり、集中力が低下して仕事でミスをしたり、気持ちが落ち込んでユウウツになったりもします。ストレス軽減には、自分の生活を見直してみることも大切です。

ストレスのプラス面も知っておく

 ストレスというと、悪いイメージばかりもっていませんか。じつは私たちは日常生活でも、ストレスをうまく利用しています。
身近な例では、「女性は好きな人ができるときれいになる」といわれます。これは適度なストレスが気持ちにはりを与え、女性ホルモンなどの機能が高まるからだといわれます。こうした「気持ちのはり」をつくるのも、ストレスのプラス面なのです。
仕事やスポーツでも、ライバルをもつことで自分を向上させたり、目標を設定して自分の気持ちを高めていくケースがあります。ストレスによる緊張を、能力の開発や集中力の向上に役立てているわけです。

 ただ、ライバルをもつことと、だれかれかまわずライバル視することでは、意味が違います。後者は、人に敵意を抱き、イライラしてかえって自分の精神的な負担を増やす結果になりかねません。目標を持つ場合も、あまり自分のイメージや能力とかけ離れたものだと、いつまでも達成できないことがストレスになってしまいます。

 ストレスが自分にとってプラスに作用するか、マイナスに作用するかは、脳が「快」と感じるか、「不快」と感じるかによるともいわれます。もしそのストレスを、気持ちのどこかで楽しめる気持ちがあるなら、プラスに作用する可能性があるといえます。

食べ物でストレスを軽減する

 ストレスがつづくと、私たちの体内ではさまざまな栄養素が消費されます。それを上手に補うことは、ストレス軽減の基本ともいえます。

ビタミンC

画像

 ストレスがつづくとビタミンCが大量に消費され、イライラ、肌荒れ、便秘などが起こりやすくなります。イライラをタバコで解消する人もいますが、喫煙するとビタミンCがさらに消費されます。するとまたイライラしてタバコを、という悪循環をもたらすので要注意。

 ストレスがたまっていると感じたら、柑橘類やイチゴ、キウイ、トマトなどを積極的にとって、ビタミンCの補給を。

その他のビタミン類

 ストレスによる疲労感や集中力の欠如は、ビタミンB群の不足が原因のひとつ。仕事や家事のミスが多いと感じたら、胚芽米や豚肉(B1)、牛乳や納豆(B2)、サバやイワシ(B6)、あさりやしじみ(B12)などを。ビタミンB群はまとめてとると効果的なので、ストレスがひどいと思ったときはB群のサプリメントもいいでしょう。

 ストレスがつづくと体内で活性酸素が発生し、その除去のために抗酸化作用をもつビタミンEが使われます。ナッツ類やピーマンなどでEを補給してやると同時に、Eを活性化するCも一緒にとるようにしましょう。

ミネラル類

 ストレスによってカルシウムが消費されると、神経などの働きが低下してイライラを起こしやすくなります。カルシウム(牛乳、チーズ、魚類など)をとるときには、マグネシウム(ナッツ類、海藻など)を一緒にとると精神安定作用が強化されます。

タンパク質

 ストレスを受けると、私たちのからだは心拍数や呼吸数を上げるなどして対応しようとします。このとき大量に消費されるのがタンパク質です。その補給には動物性タンパク質(肉、魚、牛乳など)が有効ですが、胃腸が弱っているときには良質のものを少しでもとるようにしましょう。

ファイトケミカル

5大栄養素以外で、健康機能をもつものがファイトケミカルです。ストレス時にリラクゼーション効果をもつものに、緑茶に多くふくまれるテアニンがあります。お茶を飲むとホッとするのは、このテアニンのおかげです。テアニンは緑茶を水出しすると、よく出ます。少し多めの茶葉を急須に入れ、水を入れて10分ほど置いてから飲みます。

 またオレンジの香り成分であるリモネンには、気分をリラックスさせ、ストレスを解消する効果があることがわかり、注目されています。オレンジにはビタミン類のほか、疲労回復効果のあるクエン酸も多くふくまれています。