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「いびき」の解消に取り組んでみませんか?

いびきって何?

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 いびきというのは、息がノドをとおるときの振動音です。起きているときには音はしませんが、寝ると舌のつけ根が奥へ下がり、そのまわりの筋肉もゆるむため、ノドが狭くなります。すると息をするとき、ノドの周囲の粘膜などがふるえて音が出るのです。とくに口で呼吸をすると、大きな音が出やすくなります。
 いびきは、だれでもかきます。とはいえ、自分が大きな音のするいびきをかいていると知ったら、ちょっと悩みますよね。家族からいびきを指摘されたばかりに、社員旅行や友人との旅行に行けなくなった女性もいます。
 風邪をひいたとき、疲れているとき、お酒を飲んだときなどは、いびきをかきやすくなります。こうした一時的ないびきは心配ありませんが、慢性的ないびきは健康面や日常生活にも支障をきたすことがあります。
 まず、いびきの影響やいびきをかきやすいタイプについて、知っておきましょう。
どっきりデータ
 かつては、女性で慢性的にいびきをかく人は5%もいないといわれました。ところが2001年に発表された「いびき白書」(エスエス製薬)では、15%にのぼることがわかりました。自分のいびきに気がついていない人もいるので、実際にはもっと多いでしょう。また、いびきは年配の女性に多いといわれてきましたが、20代~30代の若い女性たちにも多いことがわかっています。

自分のいびきに気づいていますか?

 自分がいびきをかいているかどうか、よくわからないという女性も多いのではないでしょうか。
 次のような症状が重なったら、いびきを疑ってみましょう。

・朝起きたとき、ノドがひどく渇いている
・寝たのに疲れている
・睡眠時間は足りているのに熟睡感がない
・起床時に頭が痛かったり、重かったりする
・肌荒れしやすく、化粧のノリもよくない


 いびきをかくと、なぜこうした症状が起こりやすいのでしょうか。それは「口呼吸+酸素不足」が原因です。
 いびきをよくかく人の多くは、寝ているときに口で呼吸をしています。口呼吸をすると振動音、つまりいびきが大きくなるだけでなく、当然のことながらノドも渇きます。
 またノドが狭くなっているため、取り込む空気量が少なくなり、酸素不足になりがちです。すると血液中の酸素が減るため、疲労が回復せず、熟睡感も得られません。睡眠中にからだが必死に酸素をとりこもうとするため、かえって疲れを感じることすらあります。
 酸素不足の息苦しさから、夜中に目をさますこともあります。悪夢をみるのも、いびきの影響という可能性もあるのです。
 血管が酸素をとりこもうと拡張し、頭痛や頭重が起こることもあります。肌も休まっていないので、化粧のノリも悪くなるというわけです。

いびきは病気なの?

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 いびきは、「睡眠時呼吸障害」のひとつです。毎晩のようにいびきをかいていると、からだも脳も酸素不足のため十分に休まらず、日常生活にも支障をきたすことがあるからです。
 からだや脳が休まらないと、なんとなくだるい、頭がぼんやりするといった状態におちいりがちです。疲れがなかなかとれず、免疫力も低下するため、風邪などを引きやすくもなります。
 集中力や判断力が低下し、仕事や家事でうっかりミスをすることも多くなります。スタミナも低下するため、根気もなくなってきます。
 また最近、慢性的ないびきは自律神経のバランスを悪化させるため、イライラ感や動悸、ほてりなどのほか、うつ状態にもおちいりやすいことが指摘されています。いびきによる酸素不足がつづくと、高血圧や心筋梗塞、脳卒中などを起こしやすいこともわかってきました。
けっしておどかすわけではありませんが、いびきによる酸素不足はこのようにさまざまな影響をおよぼす可能性があります。いびきを解消することは、そうした影響を未然に防ぎ、病気やミスを予防することにもつながります。
どっきり情報
 いびきでもっとも注意したいのは、「睡眠時無呼吸症候群」です。いびきの途中でノドがふさがり、呼吸できない状態をくり返す病気です。自分ではなかなか気がつきませんが、睡眠時無呼吸症候群になると、昼間ものすごい眠気におそわれることがあります。車の運転中にも我慢できずに寝てしまうため、事故の原因にもなりかねません。会議中に寝てしまうような例もあります。
 女性には少ないといわれますが、更年期以降にはときどきみられます。昼間の強い眠気に加えて、夜中に息苦しさで何度も目をさますような人は、病院で検査を受けたほうがいいでしょう。

「小顔はいびきをかきやすい」ってほんと?

 いびきをかきやすいタイプがあることを、知っていますか。
 一般に「あお向けに寝る人や太っている人」は、いびきをかきやすい傾向があります。あお向けに寝ると口が開いて口呼吸になりやすく、舌のつけ根が落ち込んでノドも狭くなるからです。太っている人の場合は、ノドの周囲にも脂肪があるため、ノドが圧迫されやすいからです。
 最近の女性には、小顔ですっきりしたアゴの人が増えています。アゴが小さく後退気味だと、寝たときに舌のつけ根部分が奥へ落ち込み、ノドが狭くなります。若い女性のあこがれといえる小顔ですが、じつはいびきをかきやすいというリスクもあるのです。
 花粉症などのアレルギー性鼻炎の女性が多いこと、仕事や人間関係で日常的にストレスや疲労を感じている女性が増加していること…これらも、女性のいびきが増えている原因です。
 鼻炎があると鼻がつまり、口呼吸になりがちです。ストレスや疲労は、寝相を悪くし、呼吸を浅くするため、やはりいびきの原因となるからです。
 また、女性ホルモンが減少する更年期になって、急にいびきをかくようになる女性も少なくありません。そのためいびきには、女性ホルモンが関係していることを指摘する研究者もいます。実際に、プロゲステロン(黄体ホルモン)製剤が、いびきの治療に効果をみせることもあります。
 このように女性の場合、いびきの原因にはいろいろなことが考えられます。あなたには、思い当たることがありますか?
どっきり情報
 お酒を飲む女性が増えていることも、いびきの増加と関係しています。お酒を飲んで寝ると、ノドの周辺の筋肉などがゆるみます。口呼吸にもなりやすいため、よくいびきをかきます。たまのお酒なら問題ありませんが、いつもお酒を飲んでいると、いびきのほうも慢性化する傾向があります。
 お酒を飲んだ翌朝、ひどくノドが渇いたり、頭がぼんやりすることがあるはずです。それはお酒のせいだけでなく、いびきの影響という可能性もあります。そうした症状がつづくときは、お酒の回数を控えめに。

いびきを自分で治すには

 いびきは治らないと、あきらめていませんか。まず自分でできる解消法をためしてみましょう。
 もっとも簡単な方法は、横向きに寝ること。あお向けの場合とは違い、横向けになると舌のつけ根などの落ち込みが少ないので、ノドが狭くならず、空気の流れもよくなります。横向きに寝るだけでいびきが治ったり、軽くなる人はけっこう多いので、ぜひやってみてください。
 睡眠中は寝返りによって姿勢が変わりますが、できるだけ横向きに寝るクセをつけるようにします。そのためには、寝始めは意識的に横向きの姿勢をとること。枕の下にたたんだタオルなどを敷き、いつもより少し高くすると横向き寝がしやすくなります。また横向き寝用の枕や、抱き枕を利用する方法もあります。
 横向きに寝たとき、背中から腰のあたりにクッションなどを2つくらいあてがっておくと、あお向けになるのを防ぐことができます。いらない毛布を縦長にまるめて、背中にあてがう方法もあります。

いびき防止グッズを上手に使う

 ドラッグストアやインターネット・ショップなどでは最近、「いびき防止グッズ」をよくみかけます。ひと口にいびき防止といっても、さまざまな用途があります。商品の説明をよく読んで、自分に合うものを選ぶことが大切です。
 代表的なものに、鼻腔拡張テープ、口呼吸改善テープ、マウスピースなどがあります。鼻腔拡張テープは、鼻の上に貼って鼻腔を広げ、口呼吸をしないで済むようにするグッズです。テープ・タイプではなく、鼻の穴に差し込んで鼻腔を広げるグッズもあります。
 口呼吸改善テープは、口をあまり開かないようにテープで固定し、口呼吸を防ぐものです。マウスピースは口のなかに入れ、口の開きと舌のつけ根の落ち込みを防ぐためのものです。歯科医院のなかには、その人の歯型などに合わせたオーダーメイドのマウスピースをつくってくれるところもあります。いびきがひどい場合は、相談してみるのもいいでしょう。
 ただし、口に貼るテープやマウスピースは、鼻炎などで鼻が詰まりやすい人には向いていません。
こうしたグッズは、いびきの解消が保証されているわけではありません。ただその人に合うと、いびきがかなり改善されるケースもあるので、手ごろな価格のものでためしてみるのもいいでしょう。マウスピースは口に入れるものなので、いつも清潔にしておくことも忘れずに。
なっとく情報
 冷暖房ともにエアコンという生活では、寝室はいつも乾燥しがちです。空気が乾燥すると鼻やノドの粘膜が炎症を起こしやすく、それがいびきの原因となることもあります。とくに睡眠中もエアコンをつけている場合は、寝るまえに加湿器で寝室の湿度を高めたり、枕もとに濡れタオルを置くなどして、乾燥を防ぐようにしましょう。風邪の予防にもなります。

病気で治療を受ける場合は

 いびきがなかなか解消されない場合には、病院で一度検査を受けてみましょう。ほかの病気が原因で、いびきをかくこともあるからです。鼻炎や扁桃腺などが原因になっている場合も、まずその病気を治す必要があります。
 いびきそのものの治療は、耳鼻咽頭科、呼吸器科、神経科、歯科、内科など、病院によって担当セクションはまちまちです。いびきの治療をあまりおこなっていない病院もあるので、事前に確認したうえで受診してください。
 とくに「睡眠時無呼吸症候群」のような重症のいびきの場合には、専門医のいる病院を選ぶことが大切です。
 軽いいびきなら、抗うつ薬などでからだをリラックスさせて寝るだけで、いびきが軽くなることもあります。ただし、いびきの原因はいろいろあるので自己判断はせず、かならず医師の診断を受けるようにしましょう。