Women's Health

  • HOME
  • 女性のからだ情報
  • お悩み相談・Q&A
  • 運動・食事でヘルシーアップ
  • あなたの健康管理
  • 新着情報

HOME > 日常の予防 > スモーカーズ・フェイス(たばこ顔)にならないために

スモーカーズ・フェイス(たばこ顔)にならないために

タバコはストレス解消になるの?

 日本の喫煙率は先進国では高く、その背景には、「タバコを吸うと大人の女性にみえる」といったファッション感覚もありますが、「ストレス解消」を理由にする人が増えています。
 タバコの煙にふくまれるニコチンには、とても強い依存性があります。そのため、からだの中のニコチン量が減ると、落ち着かなくなり、ちょっとしたストレスにも反応しがちに。それでまたタバコを吸って、ニコチンを補給したくなるというわけ。
 本人はストレス解消のつもりでも、じつはニコチン不足を解消しているにすぎません。これって、なんだか悪循環だと思いませんか?
 実際、タバコとストレスについての調査でも、長期的にみるとストレス解消には役立っていないことがわかっています。

タバコを吸うと老け顔になるのはなぜ?

画像

 タバコを吸っていると、顔のシワが増えたり、たるんだり、顔の色がくすんだりしがちです。こうした老け顔現象が起こるのは、タバコにふくまれる多くの有害物質(ニコチンやタール)が、女性ホルモンの働きをさまたげるため。すると活性酸素が大量に発生し、細胞を傷つけ、老化を速めてしまいます(第1の理由)。
 このとき活性酸素をとりのぞこうと活躍するのが、ビタミンCやE。そのためタバコを吸うと、細胞の若返りに必要なビタミン類が大量に消費されてしまうのです。その結果、コラーゲンなどの肌をつくる成分も減って、肌の状態が悪化してしまいます(第2の理由)。
 老け顔は、たまたまわかりやすいので話題になりますが、実際には細胞の老化の問題。からだ全体で、肌のかさつき、くすみ、たるみの原因になります。
どっきりデータ
 タバコを吸うと歯や指、ツメが黄色くなります。その原因はヤニです。ヤニにはざっと3500種類の化学物質がふくまれていて、そのうち200種類以上がからだに有害なもの。とくに煙に多くふくまれるのが依存性のあるニコチン。ヤニからニコチンと水分を除いたものがタール。そのタールには、40~50種類もの発がん性物質がふくまれています。

軽いタバコって効果があるの?

 女性の多くは、ニコチンやタールの少ない「軽いタバコ」を吸っているようです。タバコは健康によくない、でも吸いたい…という気持ちのあらわれかもしれません。
 だけど軽いタバコって、健康に効果があるのでしょうか。さきほどもいったように、タバコを長く吸っているとニコチン依存状態になります。そのため軽いタバコを吸っても、一定量のニコチンを取り込まないとなかなか満足できません。
 厚生労働省が軽いタバコにした人を調査したところ、ニコチンを求めて無意識のうちに本数が増えていたり、煙を深く吸い込んだり、1本のタバコでも吸う回数が多くなっていたそうです(「たばこ白書」)。これでは軽いタバコにしても、意味がありません。
 またアメリカなどの研究機関でも、「軽いタバコが肺がんなどのリスクを低くする証拠はない」としています。つまり軽いタバコでも、吸っている以上はリスク(危険性)があるのです。
どっきり情報
 タバコに関係のある病気は?ときくと、肺がんという答が返ってきます。でも最近の研究では、肺がんだけでなく、あらゆるがんのリスクになっていることがわかってきています。またがんだけでなく、心筋梗塞や脳梗塞などの血管性の病気、高血圧症、糖尿病など、多くの病気にタバコが関係しています。

タバコがダイエットになるってほんと?

 タバコを吸うと、ダイエット効果があると思っていませんか。
その理由は、ニコチンには余分な脂肪分の吸収をさまたげる働きがあるというもの。でもそれはニコチンが、胃や腸の働き(吸収作用)を悪くしている結果にすぎません。しかも本当にダイエット効果があるのかどうか、確認されているわけでもありません。
 根拠のないダイエット効果より、ニコチンにはむしろ有害な働きのほうがずっと多いのです。
 また禁煙すると、太ると思っている人もいます。禁煙すると、ニコチンの影響がなくなって胃の働きがよくなるので、食欲が出てきます。そのとき食べすぎたりすると太るということで、禁煙そのものが太る原因ではありません。

タバコ+お酒は最悪のパターンなの?

画像

 お酒(アルコール類)を飲む女性が増えています。お酒を飲む場所は、ほとんどが喫煙OK。そのためパブでも居酒屋でも、タバコの煙が立ち込めているのが普通の状態です。
 じつはタバコ+お酒というのは、最悪のパターン。厚生労働省の調査(2002年)では、タバコを吸う人が「毎日1合以上のお酒を飲んだ」場合、がんで亡くなる危険度(死亡リスク)が、「時々お酒を飲む」という人の2倍になります。しかもお酒の量が増えるほど、死亡リスクもどんどん高くなります。
 その理由は、アルコール分が体内で分解されるとき、タバコにふくまれる発がん性物質が活性化されるため、といわれます。つまりお酒と一緒にタバコを吸うと、有害物質の働きが強くなってしまうのです。
 この調査は、タバコやお酒に接する機会の多い中年男性を対象としたものです。でも女性にもまったく同じことがいえるので、タバコ+お酒というパターンにはとくに注意が必要です。

禁煙なんていつでもできる?

 タバコを吸っている女性には、「いつでもやめられる」と思っている人が少なくありません。ところがいざ禁煙してみると、挫折する人が多いのです。
 その理由は、さきほどいったニコチン依存状態に加え、心理的依存状態にもなっているため。心理的依存というのは、毎日のようにタバコを吸っているとそれが習慣になり、食後や疲れを感じたときについ一服したくなる精神状態のことです。
 過去に禁煙にトライしたものの挫折した経験のある人は、こうした二重の依存状態になっている可能性があります。
 禁煙は、意志の力だけではなかなかできません。禁煙がむずかしい場合、ニコチン・ガムやニコチン・パッチを試してみるのもいい方法です。これはタバコのかわりにガムや貼り薬を使って、ニコチンを少しずつ体内に入れながら、その量を減らして禁煙する方法。薬剤師や医師の指導を受けて、禁煙を進めます。
 最近は禁煙外来のある病院や、禁煙をサポートするサイトも増えています。「禁煙」で検索すると、病院や支援サイトがみられるので、参考にしてみるのもいいでしょう。