うつ病について
単なるストレスとうつ病のボーダーラインは?
今、現れている症状がストレスからくるものなのか、うつ病からくるものなのかは微妙なところで、診察してみなければわかりません。まず体に症状が出ている場合には、その部分を専門とする病院を受診するのがセオリーです。
ストレスが過剰になると眠れない、食欲がない、食べ過ぎてしまう、性欲が急になくなった、などの症状が現れてきます。これが2週間以上継続するようであったらうつ病を疑います。
友達が半年以上、元気がありません。精神的に落ち込んでいるみたい
「うつ」は自分の顔についた汚れに似ている、といわれます。自分ではなかなか気が付かないからです。その友達が「以前に比べて元気がない」「性格が変わった」「精神的な落ち込みが激しい」と感じたら、本人は気がついていないかもしれないけれど、うつ病かもしれません。
うつ病は「心の風邪」といわれるように、特別な病気ではありません。軽いうつ状態ならほとんどの人が一度は経験します。軽い症状なら意識的にプラス思考にもっていってあげれば、少しずつ改善されていきます。
でも、もし症状が進んでしまった場合、仕事や家事への気力が失せ、人と会うのが面倒になり、好きなテレビ番組や雑誌も以前ほど面白く感じなくなります。そして「死にたい」とか「消えてしまいたい」と思うようにもなります。
友達の状態にもよりますが、半年以上続いているなら診療内科のカウンセリングをすすめたほうがよいでしょう。
大学生の娘が不登校に。
うつ病かも。どうしたらいいのでしょう
若い女性のうつ病は子どもに戻りたい、母親の愛情に包まれていたい、というケースが多々あります。大学生では体は大人でも、心は子どもです。この場合、お子さんとの信頼関係をもう一度作りなおしてください。たとえば手をつないだり、一緒にお風呂に入ったり、一緒に寝たりがいちばんの薬です。母親の愛情を充分に感じ取り、満喫することで、症状が徐々に改善されていきます。
不登校イコールうつ病、心身症というわけではありませんが、登校前にお腹が痛くなる、吐いてしまうといった身体症状が出ている場合には、親も一緒に内科か心療内科を受診しましょう。
お子さんがすでに通院治療をしている場合には、専門医との会話は本人にさせ、親は黙って診察を見守りましょう。また、親はくれぐれも自分を責めないでください。周囲の大人が取り乱していては、治療にも支障をきたします。
気持ちは元気だけど、疲れが2週間以上とれません
「仮面うつ病」の疑いがあります。気分の落ち込みはないけれど、頭痛、首や肩こり、動悸、めまい、だるい、眠れない、朝起きたとき疲れが取れていないなどの症状が2週間以上続いていたら要注意です。
「仮面うつ病」は働き盛りの40代~50代に多く、近年、急増しています。病気は通院すれば、3カ月程度で治ります。また女性の場合、更年期障害だと思って治療していたら、実はうつ病だった、ということもよくあります。更年期外来を受診している人で、少しでも心配な場合には、医師に相談し検査してみましょう。
実際のカウンセリングってどんな感じなんですか?
カウンセリングルームやメンタルクリニック、病院の心療内科では、30分ずつの予約制となっているところがほとんどです。最初は自分の生い立ち、家族構成、現在の悩み、自分の性格を話すことからスタート。恥ずかしくてうまく話せなかったり、つい、いい顔をしてしまい、本当のことを話せないこともあるでしょう。少しずつ、焦らなくていいのですから、カウンセラーや医師に心を開き、全てを話せるように努力してみましょう。
医師との信頼関係ができてくると、「最近どうですか?」という簡単な問いかけだけで、自分の気持ちや環境の変化、仕事の状況などをすらすらと話せるようになります。そうなれば、完治は目の前です。