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子宮について

生理前と生理後に、生理とはちがう血液が出るのですが……
ホルモンのバランスのくずれの他、広く子宮の病気も考えるべきです。子宮がんや子宮筋腫以外にも、子宮腟部びらんや、子宮頸管ポリープがあるかもしれません。自身で区別をつけることは無理ですので、婦人科で検査をしましょう。
定期健診で子宮頸管ポリープがわかりました。切除したほうがよいのでしょうか?
子宮頸管ポリープのほとんどは良性の腫瘍で、粘膜組織の炎症やホルモンの作用でできるといわれていますが、はっきりとした原因はわかっていません。小さく、細胞診で異常がなければ経過観察となります。不正出血がひんぱんに起こるようでしたら、ポリープを切り取って組織検査をしたほうがよいでしょう。ちなみに大きくなければ、不妊の原因にはなりにくく、妊娠・出産には問題はありませんので、安心してください。

再発しやすい病気なので、切除したあとも、年1回は婦人科での検診をおすすめします。
子宮頸管ポリープと診断されました。子宮がんに変化することはあるのでしょうか?
子宮に限らず「ポリープ」という言葉をよく耳にすると思いますが、ポリープはがんではありません。ただし、組織学的に良性だったものが一部異型性変化とよばれる状態からがんになることもありますし、ポリープ状に発育、増殖するがんもあります。子宮頸管ポリープにみえていてがんである頻度は約0.6%と極めて低いものです。

切除したポリープは組織検査を行い、悪性かどうかを調べます。
子宮が下がっているから「ケーゲル体操をしなさい」といわれました。 骨盤底筋って鍛えられるの?
<トイレでの体操>

おしっこの最中に4~5回、途中で尿を止めてみましょう。止められるなら、筋肉が鍛えられています。

<気がついたときのくりかえし体操>


10秒間力強く肛門を締めてください。このときに、肛門と会陰部の間に軽く指をあててみて肛門と会陰部の間が硬く少し持ち上がるように力をいれます。
力を抜きます。
3回ほど、肛門を素早く締めては、力を抜きます。
1分間休みます。
子宮下垂の診断を受け、リング(ペッサリー)を入れました。 その後もおりものが増えたり、不正出血があります。
ペッサリーは子宮下垂に効果があります。しかし、腟壁がこすれる刺激によって腟の粘膜が傷ついたり、そのためおりもの増えるなどの欠点があります。医師による洗浄も必要です。

不正出血が繰り返されるなら、ペッサリーの大きさが合わない可能性があります。専門医に詳しい下垂の位置や症状を診断してもらいましょう。ペッサリーが合わなかったり、子宮下垂が進行するようでしたら、手術での治療も必要です。
婦人科検診で、「子宮後屈」といわれました。 妊娠に問題はなく治療の必要はないとのことでしたが、 本当に正しい位置に直さなくていいのでしょうか?
通常はおなか側に傾いている子宮が背中側に傾くことを子宮後屈といい、実は女性の2、3割にみられる子宮の個人差のようなものです。子宮後屈は病気ではなく、不妊や流産の原因とはなりません。

しかし、過去に子宮の病気にかかったことがある場合の後屈は注意が必要です。子宮内膜症や骨盤腹膜炎、子宮付属器炎などの病気から、子宮が骨盤壁と癒着して子宮が後屈のまま固定してしまうことがあるからです。そうなると性交痛や腰痛、ひどい月経痛、排便時に痛むなどの症状が起こることがあります。病気が原因の場合の子宮後屈では、元の病気の治療や、癒着剥離などの手術が行われることがあります。
子宮がん検診はどうやってやるの?
一般的に、子宮がん検診を受けるときには、「子宮頸部細胞診」を行います。現在日本で行われている方法の多くは、綿棒で子宮の入り口の粘膜をこするようにして細胞を採取し、ガラスに塗りつけて固定し、染色します。これを顕微鏡で観察して、がん細胞があるかどうか調べます。検査自体は1、2分でおわり、痛みはほとんどありません。
(参考:かしこい患者学「」へ)
子宮を摘出したらどうなるのでしょうか?
子宮の摘出とは、子宮を取り除く手術です。開腹手術と腟式手術の2種類があります。子宮がん、子宮内膜症、重症の子宮筋腫、子宮腺筋症のほか、子宮脱・子宮下垂、卵巣がん、卵管がん、膀胱がん、直腸がんなどで子宮を摘出することがあります。

手術は卵巣に異常がなければ、できるだけ卵巣をのこします。子宮だけの摘出や卵巣を少なくとも片方しか摘出していなければ、残った卵巣が女性ホルモンを分泌するので、いきなり更年期障害になるようなことはありません。子宮を摘出すると月経はとまり、妊娠、出産はできませんが、これ以後子宮の病気になることはありません。
25歳ですが、病院の検査で「子宮が未発達で小さい」といわれました。大丈夫でしょうか。
子宮や卵巣などの女性器の発育には、個人差があります。あなたの場合、月経はきちんときていますか。排卵はどうでしょうか。基礎体温を記録し、低温期と高温期の2相性を示しているようなら、排卵もあることになります。

月経や排卵があるのなら、あまり心配せず、しばらく様子をみましょう。自然に発育してくるはずです。定期的に検査を受け、主治医のアドバイスを受けるようにしてください。
病院で子宮頸管ポリープと診断され、切除を勧められました。どのような病気ですか。
子宮頸管ポリープというのは、子宮の頸部(腟に近い子宮口部分)にできるポリープ(できもの)のことです。大きさは数ミリから1cm程度のものが多く、普通はひとつですが複数できることもあります。原因ははっきりしませんが、子宮頸部がなんらかの理由で炎症を起こし、粘膜がはれて盛り上がり、ポリープができるものと思われます。

ほとんどは良性なので、小さいものは表面からの細胞診をして、放置しておいてもいいものです。しかし子宮頸管ポリープができると、おりものが増えたり、運動時やセックス時に不正出血などが起こりやすいなど、不快な症状をともなうことが少なくありません。また、子宮筋腫(粘膜下筋腫)とまぎらわしいことや、まれにポリープ状をした悪性腫瘍のこともあるので、大きいものや症状のあるものは、切除して組織の病理検査をおこなったほうが安心できるでしょう。

切除手術そのものは、ポリープを根元からはさんで切り取る簡単なもので、数分で済みます。大きなポリープで出血量も多い場合には入院が必要ですが、通常は痛みも少なく、少量の出血だけなので、入院の必要はありません。ただ子宮頸管ポリープが再発しやすいことは、心にとめておいてください。
病院で子宮筋腫があるといわれました。どのような病気ですか。手術の必要はありますか。
子宮筋腫は、子宮の筋肉(平滑筋)細胞が増殖し、こぶのようになったものです。筋腫の発生や成長には、女性ホルモンがかかわっているといわれます。そのため女性ホルモンの分泌が盛んな30歳代~40歳代の女性に多くみられますが、最近は20歳代の女性にも増えています。女性の5人に1人には子宮筋腫があるといわれるほど、一般的なものです。

筋腫そのものは良性ですが、筋腫ができると月経量が増える、月経期間が長くなる、月経痛がひどくなる、不正出血が起こる、おりものが増えるなど、不快な症状が多くなります。また筋腫が大きくなると、さまざまな臓器や神経が圧迫を受け、排尿障害や便秘、腰痛などが起こる人もいます。

筋腫がみつかった場合、小さなもので症状も軽いときには、しばらく様子をみます。ただ筋腫は放置していると、閉経以降でないかぎり小さくなることはありません。

筋腫が大きくなり、症状が重くなった場合には、切除やホルモン療法などの治療が必要となります。またごくまれにですが、筋腫が悪性肉腫に変化することもありえます。そのため筋腫がみつかった場合には、小さなものであっても定期的に検査を受け、医師のアドバイスを受けてください。

なお、子宮筋腫の治療には、手術治療のほかに、女性ホルモンの分泌を抑制するホルモン療法や、最近では子宮動脈塞栓術(UAE)といって子宮への栄養血管を閉塞させて子宮筋腫を小さくする方法も試みられています。
ワンポイント知識
子宮筋腫の切除手術には、次のようなものがあります。
1.筋腫核手術・・・・ 筋腫のできた部分だけを切除し、子宮自体は残す方法です。妊娠・出産が可能です。ただし、筋腫の再発の可能性があります。
2.子宮全摘手術・・ 筋腫のある子宮全体を摘出する方法です。卵巣はできるだけ残しますが、癒着がひどいケースなどでは一緒に切除する場合もあります。妊娠・出産はできなくなりますが、筋腫は根治できます。
子宮筋腫の核出手術を受けましたが、1年ほどでまた5cmほどの筋腫がみつかりました。短期間で筋腫が大きくなったり、再発したりするものなのでしょうか。また、再発を予防する方法はありますか。
筋腫核手術後1年ほどで子宮筋腫が再発したとのことですが、これはけっして珍しいことではありません。筋腫は多発、再発しやすく、とくにホルモン分泌の旺盛な若い世代ほど、その傾向が高くなります。また、小さな筋腫が1年で5cmくらいに成長することもありえます。

一般に子宮筋腫の手術では、若い人の場合には妊娠・出産の可能性を考慮して、筋腫部分だけを摘出します(筋腫核手術)。その場合、前述したように再発の可能性もあることになります。どの程度の期間で再発するかは、個人差があるのでいちがいにはいえません。また、再発を薬や食事などの方法で予防するのもむずかしいでしょう。

再発した場合でも、日常生活に支障がなければ、しばらく様子をみます。一方、筋腫の再発や肥大化によって、重い月経異常や排尿障害などの症状をくり返すような場合や、患者さん自身が妊娠・出産を望まない場合などには、子宮の全摘手術を受ける方法もあります。またホルモン療法や子宮動脈塞栓術などの治療法もあります(1つ前のQ&Aを参照してください)。

全摘手術は最終段階のことなので、どのような治療法を採用するかは、再発の頻度や症状の程度をみながら、主治医とよく相談して決めてください。
ワンポイントアドバイス
子宮筋腫による全摘手術は、再発をくり返す場合のほか、次のようなケースも対象となります。
1. 肥大化した筋腫がほかの臓器と癒着をおこしている場合
2. 筋腫がたくさんあって分散しているため、とりにくい場合
3. 筋腫が非常に大きく、部分的にはとりにくい場合
4. 筋腫ではないが、子宮の筋層内に子宮内膜症様の組織(子宮腺筋症)があって肥大化している場合
ただし、これらのケースでも全摘するかどうかの最終的な決定をするのは、患者であるあなた自身です。術後の影響などもふくめ、医師からよく話を聞いたうえで決めましょう。
子宮が下がっている感じがして、排便時などにきばると外に出てしまうような気さえします。これは病気なのでしょうか。
あなたの年齢や出産の回数、あるいは職業などとも関係しますが、症状をうかがうとおそらく「子宮下垂」か「子宮脱」ではないかと思われます。子宮が下に垂れて腟内に入ってきたり、ときには腟外まで出てしまうものです。膀胱や直腸の一部も、腟の壁と一緒に腟内に入りこむように脱出しやすいため、頻尿、残尿や便秘などを引き起こすこともあります。

一般的には、高齢になり子宮を支えるじん帯や、骨盤底の筋肉が衰えると、こうした症状が出やすくなります。骨盤底筋は、子宮や腟、膀胱、尿道などを支えている筋肉ですが、若い人でも出産(難産や多産など)をきっかけに弱ることもあります。また肥満の人も、ふだんから骨盤底筋に負担がかかるため、なりやすい傾向があります。軽い症状ならば、骨盤底筋をきたえるトレーニングで改善することもできます。

一般的な治療法としては、腟内リング(ペッサリー)を入れて子宮を上にあげる方法や手術がありますので、医師に相談してください。 (骨盤底筋については、日常の予防「尿漏れ・尿失禁""恥ずかしがらずに治しましょう」もお読みください)。
ワンポイントアドバイス
子宮下垂や子宮脱を起こしても、恥ずかしさなどからなかなか受診しない人が少なくありません。子宮脱を起こし、子宮腟部が外に出てしまっても、手で押し戻すと一時的には症状が軽くなります。しかし治ったわけではないので、立ったり、歩いたり、あるいは排便時などにすぐにまた脱出します。人によっては膀胱や直腸も一緒に下がってしまい、さまざまな不快な症状をもたらします。子宮下垂や子宮脱は治療できるので、ひとりで悩むよりも早めに受診してください。
大学生ですが、腟の奥にしこりをみつけました。子宮がんなどの心配はありませんか。
しこりは指で触れるなどして、自分でみつけたのでしょうか。ときに腟内に入れた指が、子宮の出口(腟部)をさわり、これを固くて丸いしこりと思う人もいます。正確な診断をするためにも、ぜひ病院を受診してください。

腟の奥のしこりについては、いろいろなケースが考えられます。一般的には、子宮腟部そのものであるほか、子宮頸管ポリープや子宮筋腫の可能性や、腟壁ののう胞腫なども考えられます。ただ、いずれも大学生くらいの若い人には比較的少ないものです。

心配されている子宮がんについてですが、一般に子宮がんは40歳代~50歳代に多くみられるものです。最近は30歳代にも増えています。あなたの年齢ではまれですが、この点でもやはり受診して、きちんと調べてもらうことをお勧めします。
ワンポイントアドバイス
子宮がんには、頸部(子宮口付近)にできる子宮頸がんと、体部(子宮内部)にできる子宮体がんがあります。多いのは子宮頸がんで、約80%を占めます。どちらの子宮がんも、初期段階ではほとんど自覚症状がないため、30歳をすぎたら年に1回は定期検診を受けるようにしましょう。

少し進行すると、不正出血や血の混じったおりものが出ることもあります。こうした症状がみられたときも、早めに検査を受けてください。